これがG1馬の底力だ。重賞馬8頭、豪華メンバーがそろった「第72回
府中牝馬S」が14日、東京競馬場で行われ、2番人気
ブレイディヴェーグが差し切りV。昨年の
エリザベス女王杯に続く重賞2勝目を挙げた。
11カ月のブランクを感じさせない剛脚。秋晴れの競馬日和とあって今年の東京ではダービーに次ぐ5万7500人で埋まったスタンドが沸いた。宮田師は「さすがG1馬。馬に対して敬意しかない。感動した」と目を輝かせた。
出遅れ気味のスタートで道中は後方からとなったが、4角では手応え抜群。直線は外からメンバー最速タイとなる上がり3F32秒8の切れ味を披露し、鮮やかに前を捉えた。6日の
毎日王冠(
シックスペンス)から重賞騎乗機会3連勝のルメールは「(前日に
秋華賞を制した)
チェルヴィニアと同じくらいポテンシャルが高い!」と相棒のパフォーマンスに感嘆した。
苦しい期間を乗り越えた。今年は
ドバイターフを始動戦に設定していたが、右飛節の炎症で回避。秋初戦として考えていた
新潟記念もトモの軽度の筋肉痛で出走がかなわなかった。「ケガをしてから苦しい時間だった。その中でこれだけの走りを見せてくれた。本当に素晴らしい」と指揮官は胸をなで下ろした。
師は今後について「反動が出ないことを祈って次に向けて無事にいければ」と明言を避けたが、G1戦線を引っ張っていく存在であることは間違いない。帰ってきた
ブレイディヴェーグ。再びあっと驚くレースを見せてくれるに違いない。
◆
ブレイディヴェーグ 父
ロードカナロア 母インナーアージ(母の
父ディープインパクト)20年4月11日生まれ 牝4歳 美浦・宮田厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績6戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億2687万6000円 馬名の由来は広い道(オランダ語)。
スポニチ