◆第85回
菊花賞・G1(10月20日、京都競馬場・芝3000メートル)
第85回
菊花賞・G1(20日、京都)で“アラ還”ジョッキー3人が競演する。
JRA現役最年長58歳の
柴田善臣騎手は
ピースワンデュック、56歳の
横山典弘騎手はダービー馬の
ダノンデサイル、55歳の
武豊騎手は
アドマイヤテラとの初コンビで挑む。
―
柴田善臣騎手は今年3月の中京での新馬戦から、
ピースワンデュックの全4戦に騎乗して
菊花賞に駒を進めた。
「(G1騎乗は)いつ以来だっけ? 久々に乗せていただけて、ありがたいね。ずっと乗せてもらえているしね。なかなか今の時代ないから」
―G1騎乗は21年の
ジャパンC(
ムイトオブリガード16着)以来、約2年11か月ぶりです。3連勝を飾った前走の
阿賀野川特別は2、3走前と違って逃げずに差す形での勝利。収穫は?
「いい勉強にはなっていないよ。ゲートも出なかったしね。途中から馬の後ろに入れて我慢できたけど、(競馬を)覚えたうちに入っていない。中間はゲート練習をしているし、練習では全然問題ないよ」
―手綱を執った10日の1週前追い切りは、美浦・Wコースで僚馬を4馬身半追走する形から6ハロン80秒9―11秒4で1馬身先着。上々の動きだった。
「動けていたし、反応も良かったね。息も乱れないし、すごいよ、この馬は。切れが出てきて、いい感じに
パワーがついてきた。心肺機能がすごい。他の馬の息の音が聞こえるくらいで、こいつ息してんのかなと思うくらいだもん(笑い)」
―前向きな気性で立ち回りはカギになる。
「今回は他に逃げる馬(
メイショウタバル)がいるからね。道中、どう刻んでいくか。スタミナは問題ない。余分なところが取れて、筋肉がついてきた。力がついてきているから、僕の体がもたないよ(笑い)」
―長距離戦はベテラン騎手が強いと言われる。
「いかに個々の馬の癖をつかんで、うまくコンタクトを取れるかだからね。そのへんは(師匠の)中野隆良先生のところで数を乗ってきたおかげかな。
ホクトヘリオス(※)とか、難しい馬の調教に乗ってきたことが生きているんじゃないかな。硬くならないで、変に(馬を)いじらないことが大事。馬の邪魔をするのがジョッキーだからね。それをいかに邪魔しないか。長距離戦は線なんですよ。その線にうまく乗せてあげることだね。経験を積ませてもらったから今がある。楽しいし、ずっと乗っていたいね」
―
菊花賞は97年
ダイワオーシュウの2着が最高着順。
「懐かしい。当日は前半のレースを
ダイワの馬で勝って、オーナーから『ここで勝っちゃダメだよ』と言われた記憶がある。どっちも勝てばいいんじゃないかと思ったんだけど(笑い)。柔らかみがあって、いい馬だったね。(また
菊花賞に)乗れるのはうれしいし、体のケアをしっかりして頑張りましょう!」
◆柴田 善臣(しばた・よしとみ)1966年7月30日、青森県生まれ。58歳。
JRA競馬学校1期生として85年3月に美浦・中野隆良厩舎所属でデビュー。
JRA通算2333勝(うちG19勝を含む重賞96勝)。自身が持つ
JRA騎手最年長勝利記録を更新し続けている。164センチ、53キロ。
スポーツ報知