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菊花賞追い切り(16日・栗東トレセン)
3冠最終戦、第85回
菊花賞・G1(20日、京都)の追い切りが16日、東西トレセンで行われた。
日本ダービー馬の
ダノンデサイルは栗東・坂路を単走で最終追い切り。2、1週前に十分に負荷をかけられ、5か月ぶりでも隙のない仕上がりを見せている。
ゆったりと優雅なフットワークで駆け抜けた。
ダノンデサイルの最終追いは、栗東・坂路を54秒2―13秒1。当週、軽めはダービー時(坂路55秒5―13秒3)と同じで、派手さはなくとも時計以上のスピード感を感じさせる走り。ダービー以来、5か月ぶりの実戦でもダービー馬の貫禄を見せられる仕上がりだ。
1973年の
タケホープ以来のダービー&
菊花賞の2冠達成へ。名手の柔和な表情が、状態の良さを物語る。ストロングポイントを問われた横山典は「やはり能力ですかね」ときっぱり。「たいして速く感じなくても時計が出る。やっぱり絶対値が違うのかなと思いますね」とパートナーへの賛辞を惜しまなかった。
この中間、鞍上は2度、追い切りに騎乗したが、圧巻は10日の1週前追い切り。
アルトシュタット(5歳3勝クラス)と併せ、一杯に追われ、CWコースで6ハロン78秒1―11秒4の猛時計をマークした。「動きはさすがだなと思わせてくれました」と手応え十分。「相当、背が伸びたなと。素晴らしい体になっていました」と夏を越しての成長に目を細めた。
10月に
菊花賞が行われるようになった2000年以降、ダービーからの直行組は未勝利。「1回使った方がベストだが、夏場は猛暑。
ステップを使うとなると、相当暑い時期から動かさないといけない。安田調教師と話して
菊花賞からとなった」とぶっつけ本番になった経緯を説明した横山典。1月の
京成杯Vから
皐月賞の除外を挟み、4か月半ぶりのダービーを制覇したように、休み明けを苦にするタイプでもない。「何の不安もない。1200メートルにいった方がやばいです」と、笑いを誘いつつ、初距離も問題なしを強調した。
「今のところ順調なので、デサイルの底力に期待してください」と力を込めたベテラン。2度の坂越えの待つタフな淀の3000メートル。長丁場を知り尽くす名手に導かれ、ダービー馬が菊の大輪を咲かせる。(戸田 和彦)
◆安田調教師「距離はすごく魅力を感じている」
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ダノンデサイルの最終追い切りは栗東・坂路で54秒2―13秒1。乗った感触は?
「ダービーの時は精神面の乱れがあったが、今回は計画的に段階を追って負荷をかけてきた。エキサイトすることなく、ダービーの時よりなだめる度合いは軽めにできた」
―秋初戦が
菊花賞。
「ダービーも間隔が空いたなかで走れましたし、納得いく準備ができると確信があった」
―春から成長を感じる部分は?
「体高も伸びましたし、もともと立派な骨格をしていますが、骨格に見合うボリュームがともなってきた」
―距離に関して。
「不安は全くないですし、3000メートルという距離はすごく魅力を感じている。ただ京都はどの馬も神経を使うデリケートなコース設定。そこはやってみないと分からない」
スポーツ報知