10月18日は「統計の日」。総務省のホームページによれば、日本で最初の近代的生産統計「府県物産表」に関する太政官布告が1870年9月24日に交付され、同日を太陽歴に換算すると10月18日にあたるそうだ。競馬界にも様々な統計があるが近年どんな変化を示しているのか、売上や生産について調べてみた。
まずは馬券の売上から。近年再び増加傾向の
JRAにおける昨年の売得金は3兆2754億6790万700円。物価も大きく変わっているため単純比較はできないが、
JRA創設元年1954年の112億2931万円から、約70年で約300倍にも増えている。ただ、これでも最盛期には到底およばない。
サニーブライアンや
エアグルーヴ、
タイキシャトルが活躍した97年には4兆6億6166万3100円を記録。すでに電話投票はあったものの、まだまだ競馬場やウインズで馬券を買うことが主流だった時代ながら、今より25%も多い金額を記録していたの興味深い事象といえよう。
一方で、
地方競馬は売上が右肩上がりだ。23年4月〜24年3月の地方全体の売上は1兆888億6525万8120円で過去最高を更新。90年代後半から売上不振で競馬場の廃止が相次いだこともあり、94年に31場あった競馬場は、24年時点で17場(うち休止2場)まで減らしているのにもかかわらず、売上は年々伸びている。12年から
JRAネット投票システムを使った
地方競馬の発売がスタートするなど、インターネットを使った馬券発売を強化したことや、ナイター競馬の拡大などが主な理由のようだ。
売上好調の陰で、生産業界の数字は少しさみしい。1992年にはアラブ系含めて12874頭が国内で生産されていたが、2012年には6837頭と約半数まで減少。近年は再び盛り返して23年は7798頭まで増えたが、生産牧場は数を減らしている。01年には全国に1579軒あったが、昨年は761軒と20年少々で半分以下。特に北海道以外の牧場では、01年に276軒あったものが、現在では約4分の1程度になった。メジロ牧場に代表されるように、名門の閉鎖も珍しくない。再び盛り上がりを見せてくれることを願うばかりだ。
このように競馬に関する数字見てみると思わぬ発見も。今後はどのような変化をみせていくのだろうか。