◆第170回天皇賞秋・G1(10月27日、東京競馬場・芝2000メートル)
第170回
天皇賞・秋・G1は27日、東京競馬場の芝2000メートルを舞台に行われる。昨年は
イクイノックスが驚異のレコードVを果たした秋の中距離頂上決戦に、今年もG1馬6頭を含む実力馬がそろう。1週間を通してレースを深掘りする「考察」を担当するのは、10万円超の高配当を連発する戸田和彦記者。
プロローグ編は、
キタサンブラック以来の記録に挑む
ベラジオオペラを取り上げた。
イクイノックスが昨年たたき出した衝撃の“世界レコード”1分55秒2での圧勝劇から一年。その絶対王者がターフを去ったいま、古馬中距離界は群雄割拠の戦国時代に入っている。
振り返れば96年に
バブルガムフェローが3歳王者(当時は4歳)に輝き、翌97年には
エアグルーヴが84年の
グレード制導入後、初の牝馬制覇を果たした。今では珍しくなくなった古馬混合G1での3歳馬、牝馬の活躍。歴史が動いたのは1990年代後半の
天皇賞・秋だったように感じる。
近年で記者の記憶に残っているのは、雨中決戦だった17年の
キタサンブラック。珍しくスタートで大きく出遅れ、万事休す―と思われたが、距離ロスなく馬場の悪い内めをスルスルと進出。いつの間にか好位に取り付くと、直線も力強く先頭でゴール板を駆け抜けた。泥だらけになりながら右ムチを掲げた
武豊騎手。さすが名手とうなった一戦でもあった。
その
キタサンブラック以来となる史上2頭目、
大阪杯と
天皇賞・秋の「同一年春秋2000メートルG1勝利」に挑むのが
ベラジオオペラ。3着だった
宝塚記念も「負けて強し」を印象付けた。
レースを振り返る。向こう正面で
ローシャムパークが、まくり気味に進出開始。それに呼応するように、好位で運んでいたオペラの横山和騎手も仕掛けた。早めに動かされたぶん、最後は脚が上がったが、後方待機し、ローシャムのペースアップの“恩恵”を受けた上位2頭。今回、出走する2着
ソールオリエンスよりも評価できる。
3歳世代を代表する
皐月賞馬
ジャスティンミラノの回避は残念だが、
ドウデュース、
タスティエーラのダービー馬2頭に昨年の3冠牝馬
リバティアイランドなどG1馬が6頭。古馬の秋3冠ロード初戦に、好メンバーがそろった印象。
天皇賞・秋で偉業に挑むオペラの“ラ
イバル”も1週間、多角的に分析し、週末に結論を導き出したい。(戸田 和彦)
スポーツ報知