「秋古馬三冠」とは、
JRAが開催する秋の中距離GI・3競走を指した俗称のこと。正式名称では無いが、ファンや関係者の中でこう呼ばれる。三冠達成馬には褒賞金制度があり、内国産馬に2億円、外国産馬には1億円のボーナスが出る。いずれのレースにも高額な本賞金が設定されており、
天皇賞(秋)は1着2.2億円、
ジャパンCは1着5億円、
有馬記念は1着5億円。すなわち、内国産馬が三冠を達成すれば、本賞金と褒賞金を合わせて、14.2億円(+各種手当)がゲットできる。
ただ、達成するのは極めて難しい。“三冠馬”は00年
テイエムオペラオー、04年
ゼンノロブロイの2頭のみ。褒賞金制度がスタートしたのは00年だが、それ以前を含んでも同一年に対象競走2勝以上を挙げたのは、85年
シンボリルドルフ、02年・03年
シンボリクリスエス、22年・23年
イクイノックスなど8頭(延べ10頭)しかいない。
天皇賞(秋)が10月下旬の東京芝2000m、
ジャパンCが11月下旬の東京芝2400m、
有馬記念が12月下旬の芝2500mと、それぞれ条件が大きく異なることや、約1カ月の間隔でGIを3戦するタフさが求められる点。さらに近年では、ブ
リーダーズCや香港国際競走に向かうなどローテの多様化もあり、三冠すべてに出走すること自体が珍しくなりつつある。
そんな中、今年は
ドウデュースが秋古馬三冠に挑戦することが報じられている。昨年は
天皇賞(秋)が7着、
ジャパンCが4着、
有馬記念が1着だった同馬。年内での引退も合わせて発表されているが、どんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。まずは
天皇賞(秋)を勝ち、20年ぶりの快挙に望みをつなげたい。
【同一年に2勝以上を挙げた馬】※
グレード制導入以降
天…
天皇賞(秋)、JC…
ジャパンC、有…
有馬記念( )内は該当レースでの着順。-は不出走。
85年
シンボリルドルフ天(2)→JC(1)→有(1)
99年
スペシャルウィーク天(1)→JC(1)→有(2)
02年
シンボリクリスエス天(1)→JC(3)→有(1)
03年
シンボリクリスエス天(1)→JC(3)→有(1)
06年
ディープインパクト天(-)→JC(1)→有(1)
17年
キタサンブラック天(1)→JC(3)→有(1)
20年
アーモンドアイ天(1)→JC(1)→有(-)
21年
エフフォーリア天(1)→JC(-)→有(1)
22年
イクイノックス天(1)→JC(-)→有(1)
23年
イクイノックス天(1)→JC(1)→有(-)