ノーザン
ファーム
ミックスセールは、19年から繁殖牝馬セールとして始まり、22年から当歳部門が加わった。昨年のセール後、吉田俊介ノーザン
ファーム副代表は「購買者の皆さまの
カレンダーに定着していない面がありますが、初年度の取引馬で結果を出すことで認知していただけるのでは」と話していた。実際、22年に8400万円(金額は税別)と、2番目の高額取引馬だった
サトノカルナバル(牡2歳、美浦・堀厩舎)が
函館2歳Sを優勝したほか、3頭が勝ち上がっており、
ミックスセールへの注目度は一気に高まった。また、繁殖牝馬セールから、20年取引馬で
ゼルトザーム(牡3歳、栗東・藤野厩舎)が
函館2歳Sを優勝。
コスモキュランダ(牡3歳、美浦・加藤士厩舎)が報知杯
弥生賞を制し、
皐月賞は2着に健闘。
スウィープフィート(牝3歳、栗東・庄野厩舎)は
チューリップ賞を制し、
桜花賞では4着に追い込むなど、3頭の重賞ウィナーの母を輩出した。また、22年
ジャパンCを制した
ヴェラアズールの母(
ヴェラブランカ)や昨年の
菊花賞を制した
ドゥレッツァの母(
モアザンセイクリッド)、今年の
新潟2歳Sを勝った
トータルクラリティの母(
ビットレート)も、これらの子が生まれた後の取引馬である。
これらの活躍が、購買関係者の
カレンダーにしっかりと組み込まれ、22年は約19億円、23年は約15億円だった当歳
セッションは今年、35億5500万円と一気に跳ね上がった。これまで取引額で1億円超えはなかったが、1億円以上は10頭いて、そのうち4頭が2億円以上など、当歳
セッションは活況となった。
一方、繁殖牝馬
セッションは、売却総額は6億7750万円(前年比6500万円減)、売却率は86.5%と初めて9割を切るなど、意外と伸び悩んだ。繁殖牝馬
セッションの最高額は、
ラクアミ(牝12歳、
父ダイワメジャー、
母レイズアンドコール)の3800万円で(株)Winning Horse Clubが落札した。
ラクアミの子に、今年の
札幌2歳Sで鼻差の2着だった
アルマヴェローチェがいるなど、産駒の活躍が多くの関係者の目に留まった。当歳
セッションは、上場頭数が少しずつ増えており、今年の活況も踏まえて微増する可能性を吉田副代表は示唆していた。
23日は、北海道新ひだか町静内の北海道市場でジェイエス繁殖馬セールが開催され、約220頭が上場される。(競馬ライター)
スポーツ報知