今週は
アルゼンチン共和国杯だが、実は「アルゼンチン」は近年の日本競馬で重要なキーワードとなっている。というのも、母がアルゼンチン産の大物が続出しているからだ。ここでは中でも顕著な活躍を見せた馬を紹介したい。
代表格は
サトノダイヤモンドだ。16年の
菊花賞と
有馬記念の覇者。現在は種牡馬となっており、
サトノグランツや
シンリョクカを輩出している。母の
マルペンサは10年の銀杯大賞、ヒルベルトレレナ大賞、ク
リアドレス大賞の勝ち馬。
サトノダイヤモンドの他にも
サトノジェネシスや
リナーテを送り、孫世代からは一昨年の
ホープフルS覇者の
ドゥラエレーデが出ているので、一大牝系を築くポテンシャルを秘めている。
続いては19年の阪神JFを制した
レシステンシアだ。
母マラコスタムブラダは14年のヒルベルトレレナ大賞の覇者で、これは
マルペンサとの共通項。他にも
グラティアスや
ミッキーブラックを出しているので、かなり優秀な繁殖といえる。さらに
レシステンシアの前年に阪神JFを制した
ダノンファンタジー。
母ライフフォーセールは11年の
ブエノスアイレス大賞、
ラプラタオークスを制している。また、
サトノフラッグと
サトノレイナスの兄妹の
母バラダセールは11年の亜1000ギニー、亜
オークスの覇者。
サトノフラッグは現在、母の故郷のアルゼンチンで種牡馬となっている。
最後に
ペルーサを取り上げたい。アルゼンチン産の外国産馬だった
母アルゼンチンスターは1戦1勝で引退。競走馬としては不完全燃焼だったが、4番仔の
ペルーサが10年の
青葉賞を制し、同年の
天皇賞(秋)で2着に健闘した。その後、不振に陥る時期もあったが、15年の
札幌日経オープンを逃げ切り。
JRA史上最長勝利間隔記録となる5年3か月8日ぶりの勝ち星を挙げて話題となった。
これらの馬の活躍を受けて、アルゼンチン血統は次々に輸入されている。取り上げた馬の共通項を挙げるなら、2〜3歳時から好成績を残していることだが、この仕上がりの早さも日本の競馬に合っているのかも。いずれにしても、今後もアルゼンチン血統には要注目したい。