全国各地で季節が進んだここ数日だが、北海道もその例に漏れず、20日には札幌で初雪を観測した。
門別競馬場がある日高地方でも冷え込みは氷点下に迫り、調教時間中の厩舎では、ストーブの周りで暖を取るスタッフの足元で、猫が大きな毛玉と化して丸まっていた。
昨年は、
モズミギカタアガリがこの重賞を
ステップに
エーデルワイス賞を制覇したが、今年の日程では、そのローテーションは現実的でない。今年は出走馬の多くがここをシーズンの最終戦として、休養に入るか、他場の重賞を目指して調整、あるいは移籍していくことになろう。
メンバー構成は、9月19日に行われた
フローラルカップの再戦模様である。そのレースで2着馬に1秒3差をつけて圧勝した
ゼロアワーが、当然ここでも中心になる。スピードにモノを言わせて押し切った1200mのフルールCの内容から、ツーターン+マイルへの距離延長が課題だったわけだが、2番手でスムーズに折り合い、なおかつ、追われてからの
ギアチェンジも見せたのだから優秀だ。今回わずかでも懸念材料になるとすれば、外回り1700mへと舞台が替わる点。前走の内回り1600mと、距離の違いは100mだけだが、それ以上にタフさが要求されることになる。もともと気性の勝ったタイプでもあり、前走以上に、ペース配分がポイントにはなるだろう。
2番手以降は猫の手も借りたい大混戦だが、フ
ローラルCで最も負荷の大きい運びをした
ゴーゴーイーグルスを取り上げておきたい。淀みのないペースを、2コーナーから外を回って前進し、4コーナーでは先頭に並ぼうかというところまで来ているのだから、相当長く脚を使っている。2着争いで遅れを取ったのも仕方なく、巻き返しがあっても不思議はない。
厳しいレースをしたという意味では、ハナを切って
ゼロアワーのプレッシャーを一身に背負った
イクスクローバーも、大敗には目を瞑れる。2着
エスカティア、3着
コパノエミリア含め、フ
ローラルC組の順序づけが肝となるレースである。
(文:競馬ブック・板垣祐介)