芝中距離最強を決める「第170回
天皇賞・秋」の最終追い切りが23日、東西トレセンで行われ、年内引退が発表されている
ドウデュースはポリトラックで万全のG1V仕上げ。鞍上の
武豊(55)は勝てば保田隆芳元騎手が持つ
天皇賞・秋7勝の歴代最多勝記録に並ぶ。同レースは24日に出走馬と枠順が確定する。
一戦一戦、全力投球。
武豊と友道師が異口同音に掲げた今秋のス
ローガンにふさわしい最終追いだった。僚馬
シヴァース(3歳2勝クラス)を4馬身追走。直線内から並びかけた
ドウデュースの前肢が大地を豪快に捉える。見守った友道師が「無駄な肉がそがれてより筋肉が強調されるようになった」と目を細める。彫刻作品のような馬体はポリトラックを6F81秒1〜1F11秒2であっという間に駆け抜けていった。
ゴール前で併入したが、
ドウデュースはゴール板を過ぎても上機嫌に快走。「どちらかというと昨秋の方が夏の暑さに堪えていて、ようやく間に合ったかなという感じでレースを迎えたので、今年の方が自信を持って送り出せる。秋初戦としては絶好調」と指揮官。夏を越し、心身ともに充実。春は手を焼いた馬っ気も鳴りを潜めているという。師は「
ハーツクライの成長力かな」と止まらぬ進化の理由を晩成の血に求めた。
1週前に
武豊を背にCWコースで追って、当週ポリトラックで仕上げるのはかつてのG13勝と同じ過程。春秋合わせて天皇賞14勝の盾男は「やっぱりこの馬は普通じゃない。(1週前追いは)言うことなく、全てが良かった。今度こそ彼らしいレースをして結果で応えたい」と仕上がりに太鼓判を押す。指揮官も「ジョッキーのコメントの通り、完璧。何の問題もなかった」と自信を隠さない。
競馬界をけん引した
ドウデュース劇場もいよいよ最終章。21年、相棒が21度勝てなかった“鬼門”朝日杯を堂々と先頭で駆け抜けた。22年、無敗の2歳王者は中山での挫折を乗り越え、逆襲のダービー馬となった。23年、海外での屈辱を、宿敵
イクイノックスに喫した敗北を糧に、
グランプリ有馬記念で劇的な復活を遂げた。そして24年、春は期待に応えられなかったが、ファンも、
武豊も「
ドウデュースはこんなものではないと信じている」。史上7頭目の4年連続
JRA・G1制覇が懸かる有終の秋。千両役者は何度だって返り咲く。
《令和初4年連続G1制覇へ》
ドウデュースは2歳時の21年
朝日杯FSから22年ダービー、23年
有馬記念と3年連続で
JRA・G1制覇中。今年
JRA・G1を勝てば
グレード制導入の1984年以降では7頭目となる。令和初の4年連続G1制覇ホースとなるか。
スポニチ