キャリア豊富な腕利きがこん身の仕上げで重賞制覇に挑む。宮厩舎の渡井千明厩務員(51)は担当馬2頭が東京の土日重賞に出走。土曜の「第60回
京王杯2歳S」に
マイネルチケット、日曜の「第62回
アルゼンチン共和国杯」に
マイネルウィルトスを送り込む。特徴をよく知る厩舎ゆかりの血統でダブル重賞Vを狙う。
土日の東京G2に担当馬2頭を送り出す宮厩舎の渡井厩務員はキャリア25年。ともに厩舎ゆかりの血統でその扱い方も熟知している。「よく知る血統で思い入れが強い。これが競馬の楽しみでもある」とベテランならではの魅力を伝えた。
土曜の
京王杯2歳Sに送り込む
マイネルチケットは、ス
プリント路線で活躍したオープン馬の
母エントリーチケットも担当。「やんちゃな性格が母に似ている。普段からメンタルの部分でかなり気は使うけど、レースに行けば真面目。オンとオフがしっかりしている」と姿を重ね合わせる。
前走サウジアラビア
ロイヤルCはスタートから押し出されるような形でハナに立ったが、中盤で外の馬を行かせて3番手に控えた。直線は力強く伸びて、見せ場十分の3着。「重賞でもメドの立つ走り。血統背景から千四は良さそう」と1Fの距離短縮を歓迎した。
アルゼンチン共和国杯の
マイネルウィルトスは06年
北九州記念を制した祖
母コスモフォーチュンから
母マイネボヌールと3代にわたって担当。21年
函館記念8着からは15戦連続で重賞に挑戦し2着4回、3着2回とタイトルまであと少しだ。「ケガをした期間もあったけどよく頑張ってくれている。ずっと一緒にやってきたので何とか重賞を勝たせてあげたい」と力が入る。
東京芝2500メートル戦は実績から最もチャンスがある舞台。重賞2着4回のうち3回は当レース2回(21年、23年)と22年
目黒記念だった。週末の雨予報も悲願Vへの後押しになる。不良馬場だった21年
福島民報杯は大差V。雨が降れば自慢の持久力が生きる。「調整は無事に終えられたので、あとは馬を信じて。勝ったら泣いちゃうだろうね」。数多くの重賞ホースを手がけた腕利き厩務員が、ゆかりの血統でダブル重賞制覇を狙う。
◇渡井 千明(わたい・ちあき)1973年(昭48)5月23日生まれ、滋賀県出身の51歳。栗東トレセンで最初に所属した上田三千夫厩舎の解散に伴い、宮厩舎に移った。これまで担当した重賞勝ち馬は
マイターン(99年東海
ウインターS、00年の
ダイオライト記念&
オグリキャップ記念)、
コスモフォーチュン(06年
北九州記念)、
コパノジングー(10年
目黒記念)。担当馬には自然体で接することを心がけている。
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