「ファンタジーS・G3」(2日、京都)
4番人気の
ダンツエランが不良馬場をものともせず、直線外から脚を伸ばしてゴール前の大激戦を鼻差で制した。殊勲の団野は「最後はつらくなりましたが、きょうの馬場もこなしてくれた。気が良過ぎて最初の2Fは折り合いに苦労したけど、結果が出て良かったです」と泥を拭った。
前走の
りんどう賞では逃げて末脚が不発。その敗因を生かし、この日は控える競馬を選択した。前半3Fは不良馬場としても遅い36秒0。それでも新馬戦でコンビを組んでいた団野は、ためればはじけると信じていた。道中は先行集団を見る好位の外めでじっくりと我慢。その分、直線では先行勢が粘るなか、1頭だけ外から鋭く伸びてタイトルをつかみ取った。
本田師は「控える競馬で馬場のいい所を通ってきてほしいと。作戦通り。うまく乗ってくれたね」と好騎乗をたたえた。指揮官にとって2歳重賞Vは、
レーヌミノルで制した16年の
小倉2歳S以来。「レーヌは最初から大物感があったけど、この馬はこれからの感じ。でも、素直で扱いやすく、攻め馬でもレースでも一生懸命。クラシックを勝てたら言うことないよね」と
桜花賞を制したかつての看板馬と同等の活躍に期待した。
今後は
阪神JF(12月8日・京都)を視野に入れる。「いい競馬だったし、距離の心配もしていないから」と師。馬場不問の
ロードカナロア産駒は、切れ味に磨きを掛けて頂上決戦の時を待つ。
提供:デイリースポーツ