◆第62回
アルゼンチン共和国杯・G2(11月3日、東京・芝2500メートル、良)
第62回
アルゼンチン共和国杯・G2は3日、東京競馬場で行われ、白毛の
ハヤヤッコが最後方からの大外一気で2年4か月ぶりの復活勝利を飾った。8歳馬の奮闘に
吉田豊は「おじいちゃんですけど、頑張ってくれました」。
白い馬体が一完歩ずつ先頭に近づく。徐々に場内のボルテージは上がり、ゴールの瞬間は最高潮に達して拍手がわき起こった。19年の
レパードSで白毛馬として初めて
JRA重賞を制した
ハヤヤッコが、8歳秋にも最後方からの大外一気でファンを驚かせる快走劇。22年の
函館記念以来、2年4か月ぶりの勝利で、重賞3勝目となった。
先頭の
ジャンカズマが刻む1000メートル通過が59秒6のミドルペースを、鞍上とリズムを合わせながらの追走。
吉田豊は「イメージより後ろになったので、最後にいい脚を使わせようと切り替えました」と腹をくくった最後方待機を選択した。直線は目まぐるしく先頭が入れ替わる大混戦だったが、前を射程圏にとらえて
クロミナンスを首差かわしたところがゴール。上がり3ハロンはメンバー唯一の34秒台(34秒6)。タフな展開で衰えない闘志が光った。
2走前の
函館記念で12着に敗れ、トップハンデで8歳の年齢もあり10番人気だったが、低評価を覆した。58・5キロでは1988年の
レジェンドテイオー以来36年ぶり、8歳馬は85年の
イナノラバージョン以来、いずれも2頭目の勝利。
吉田豊が「最後まで踏ん張ってくれた馬に感謝。おじいちゃんですけど、頑張ってくれましたね」とたたえれば、国枝調教師も「たいした馬だよ。すごいな。本当に頭が下がります」と驚きの表情を見せた。
ここまで42戦を走ってきたが、まだまだ元気いっぱい。指揮官は「(金子真人)オーナーと相談してからになるけど、もう年だし、大きなところに行ってみてもいいと思う」と
有馬記念(12月22日、中山)などビッグレースへの参戦を示唆。近親に
ソダシなどがいる白毛の古豪が、面白い存在として日本の競馬を盛り上げる。(浅子 祐貴)
ハヤヤッコ 父キングカメハメハ、
母マシュマロ(
父クロフネ)。美浦・
国枝栄厩舎所属の牡8歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算成績は42戦7勝。主な勝ち鞍は
レパードS・G3(19年)、
函館記念・G3(22年)。総獲得賞金は3億614万円。馬主は金子真人HD(株)。
スポーツ報知