11月に入り、2歳戦も1勝クラスの番組が増えてきているが、先週の
もちの木賞(京都ダート1800m)は
ナダル産駒の
クァンタムウェーブが1着。管理する
松永幹夫厩舎には
メルキオルという
ナダル産駒もいて、こちらは未勝利、
プラタナス賞と連勝中。
本日、11月4日は北海道、
門別競馬場で
JBC2歳優駿(JpnIII・ダート1800m)が行われるが、12月11日(水)に
川崎競馬場で行われる
全日本2歳優駿(JpnI・ダート1600m)に向け、そして、今年から整備されたダート三冠に向けて、役者が揃いつつあるといった感じがする。
【11月9日(土) 京都芝1600m】
◆
ミニトランザット(牡、父
エピファネイア、
母イチオクノホシ、栗東・
杉山佳明厩舎)
全姉に同厩舎で管理され、今年の
フェアリーSを勝った
イフェイオンがいる。本馬は2023年セレクトセール1歳にて、5600万円(税抜き)で落札されている。
10月9日にゲート試験を合格すると、そのまま栗東に在厩して、坂路での追い切りを消化していく。10月31日はレースでも騎乗予定の
鮫島克駿騎手が跨って、CWでの3頭併せ。
エリザベス女王杯に出走予定の
コスタボニータ、古馬3勝クラスの
ナイトアクアリウムという格上相手だったが、最後までしっかり食い下がって少し遅れただけでフィニッシュ。3F37.4秒、1F11.4秒と時計的には十分動けている。
◆
アスクセクシーモア(牡、父
キタサンブラック、
母アイムオールレディセクシー、栗東・
福永祐一厩舎)
2023年セレクトセール1歳にて、2億9000万円(税抜き)で落札された
キタサンブラック産駒。4月19日にゲート試験を合格し、その後もしばらく栗東で調整を進めていたが、その頃から垢ぬけた馬体が目立っていた。
9月に栗東へ戻ってきて、10月から本格的な追い切りを開始。10月18日にCWで6F80.5秒、3F35.9秒、1F11.2秒と抜群の時計をマークすると、10月30日のCWでは6F81.8秒、3F36.4秒、1F11.3秒をマークして、古馬OP
エクロジャイトを追走して先着。とても新馬とは思えないような動きの質をしているだけに、実戦での走りが楽しみ。
◆
プレスジャンケット(牝、父
ドゥラメンテ、
母フォトコール、栗東・
渡辺薫彦厩舎)
半兄に2021年セレクトセール当歳にて、1億3000万円(税抜き)で落札された
モーリス産駒、
アドマイヤアストラがいる。母系には母系には英ダービーと愛ダービーを勝った
オーギュストロダン(
父ディープインパクト)や
愛チャンピオンSを連覇した
マジカル(
父Galileo)などがいる血統でもある。
本馬は6月20日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験に合格。当時「
ドゥラメンテ産駒らしく、スラッとした肢長体型。これから体力を付けていく段階になりますが、さすが良血で品の良さを感じますよ」と
渡辺薫彦調教師はコメントしていた。10月17日に栗東へ再入厩して、10月30日のCWでは6F88.5秒と全体時計は遅かったが、ラスト1Fは10.9秒。さすがの切れ味を見せている。
【11月10日(日) 京都芝2000m】
◆
サヴォンリンナ(牝、父
サトノダイヤモンド、
母サイマー、栗東・
田中克典厩舎)
キズナ産駒の半兄
サンライズジパング(栗東・
音無秀孝厩舎)は先週の
みやこSでダート
グレード重賞2勝目を挙げているが、2歳時には
ホープフルSで3着や
皐月賞、
日本ダービー出走という芝実績もある。
本馬は10月3日にゲート試験を合格。10月17日から週中はCWでの追い切りを消化していて、そこにはレースでも騎乗予定の
北村友一騎手がずっと跨っている。3週前追い切りと2週前追い切りは時計が遅くて額面上は目立たないが、実際の走りを見ているとその躍動感が伝わってきた。
田中克典調教師も「ジョッキーもすごくいい感触を掴んでくれていますよ」と教えてくれ、10月30日のCWでは6F81.7秒、3F36.9秒、1F11.5秒を楽な手応えでマーク。半兄は芝のデビュー戦は4着だったが、どんな走りを見せるだろうか。
(取材・文:井内利彰)
※一部内容に誤りがございました。訂正のうえ、お詫び申し上げます。