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【追憶のエリザベス女王杯】10年スノーフェアリー 雪の妖精の凄い脚!ブエナビスタとの対決見たかった

スポニチ
  • 2024年11月06日(水) 06時45分
 今もさんぜんと輝く空前絶後の「外国馬によるJRA平地G1連覇」。10、11年エリザベス女王杯を制した「英国の妖精」スノーフェアリーが見せた切れ切れの決め手は、「凄いレース」を見慣れているはずの日本のファンをも驚かせた。最初の制覇となった10年。直線で実況は「スノーフェアリーがすーんごい脚!」と叫んだ。

 11年も直線ではもの凄い脚だったのだが、インパクトでいえば10年にはかなわない。イン2頭目から圧巻の伸びを見せ、一瞬にして後続を突き放した。ラスト2Fのラップは12秒7−11秒8。この“加速ラップ”を見ただけでも衝撃が伝わってくる。

 この勝ちっぷりは、さすがのライアン・ムーアにとっても想像以上だったようだ。「英オークス、アイルランドオークス(ともに1着)より強かった。ギアを上げた瞬間のスピードが桁違いだった」。鞍上は感嘆の声を上げた。

 筆者はレース前の数日間、京都でスノーフェアリーの調整ぶりを見守ったが、リラックスした様子が印象的だった。エドワード・ダンロップ師は「ずっと独りぼっちで調教していたのに寂しがることもなく、最高の状態をキープした。この馬にはいつも驚かされる。凄いハートの持ち主だ」と語った。

 今思えば、スノーフェアリーは遠征に強いタイプなのだろう。そこに、これまで隠れていた日本の馬場への強烈な適性が爆発して、歴史に残る快勝劇となったのではないか。

 それにしてもダンロップ師のこの馬に関するジャッジには恐れ入る。英・愛オークスともに追加登録料を支払っての出走で優勝した。当時、約260万円と約470万円だったそうで、オーナーもだいぶしぶっていたという。そこを「勝てますから」と説き伏せての快勝だった。

 秋も欧州でのビッグレース、米国でのブリーダーズCと選択肢はいろいろあった。そこをエリザベス女王杯に狙いを定め、褒賞金込みで1億8000万円をゲット。翌年の連覇も含め、馬が最も力を出せるレースを選択することがいかに重要かを教えてくれた。

 レース後、ダンロップ師は「次はジャパンCに向かいたい。ブエナビスタを倒すのは今しかない」と語った。天皇賞馬ブエナビスタスノーフェアリー。対戦は夢で終わったが、実現したら身震いするような好カードだった。

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