10月23日に新ひだか町の北海道市場で、繁殖馬セール(主催ジェイエス)が開催された。今年は218頭(受胎馬175頭、空胎馬43頭)が上場され、158頭(受胎馬128頭、空胎馬30頭)が落札。売却総額は7億7740万円(金額は税別、前年比1億1653万円増)、売却率は72・48%(同比0・1%増)と前年を上回った。売却総額は、17年9億9197万円、22年8億9547万円に次ぐ数字を残した。
最高価格は
ハルワタート(牝8歳、父
ロードカナロア、
母ダイワエルシエーロ、
マインドユアビスケッツを受胎)の5000万円。自身は中央でダート短距離を2勝。母は04年
オークス馬、祖母は98年
桜花賞2着の
ロンドンブリッジという、
下河辺牧場が育んできた貴重な牝系で、300万円の
ファーストビッドから約4分の長い競り合いの末、社台
ファームが落札した。
また、未供用馬の最高価格は、障害3勝を含む中央5勝の実績を誇る
ナギサ(牝6歳、父
フェノーメノ、
母ユキノクイーン)の1900万円で、岡田スタッドが落札した。
ナギサの半弟に、今年のニュージーランドTで3着に健闘した
ユキノロイヤル(牡3歳、美浦・
小野次郎厩舎、父
ディーマジェスティ)がいる。
ジェイエスの服部健太郎代表取締役は「昨年より上場頭数が多く、良質な馬がそろったことが、昨年以上の結果につながったかと思います。かつては○○牧場にはこの血統ありという馬が、外へ出すことはありませんでしたが、最高価格となった繁殖牝馬は、
下河辺牧場さんが大切に育んできた血統の中でも主流の牝系で、セールに上場されたことに価値があります。血の更新は牧場のテーマでもありますが、1歳市場の好況から生産者やオーナーの購買意欲があったかと実感します」とセールを振り返っていた。
この日は雨風が強く、来場するにも大変な1日だったが「経験がないほどの悪天候の中、購買者の方々もゆっくり下見をする時間もなかったと思いますが、皆様のご協力のもと無事に終えることができ、ホッとしております」と、服部氏は関係者への感謝も伝えた。
冬季繁殖馬セールは、年明けの1月22日に北海道市場で開催予定。上場申込は、12月2日が締め切りとなっている。(競馬ライター)
スポーツ報知