「第58回楠賞」が7日、
園田競馬場1400メートルで行われ、
フジユージーン(牡3=岩手・瀬戸幸)が接戦をしのぎ切り、重賞7勝目をマークした。8戦8勝で
東北優駿を制した岩手のスターホースが、
ジャパンダートクラシック10着から見事に巻き返した。2着はホッカイドウ競馬の
ストリーム、3着は船橋の
ギガースだった。
しびれる戦いだった。向正面で
森泰斗がうながし、早々と先頭に立った船橋の
ギガース。そこに大外から襲いかかる岩手のエース・
フジユージーン。4角でインをすくって2頭を猛追した北の雄
ストリーム。直線は各地区の意地と
プライドがぶつかり合う追い比べとなった。
ギガースと
フジユージーンが馬体を並べたのが叩き合いの合図。
村上忍の左ムチに鼓舞され、
フジユージーンが前に出た。力なく下がった
ギガースと入れ替わるように伸びてきたのが
ストリーム。だが
フジユージーンが頭差、しのぎきった。
村上忍は
フジユージーンの勝負強さに脱帽だ。「凄い接戦だったが、何とか勝負根性を出してくれた。馬に感謝している。想定よりも進みが悪くて、遊びながら走っている部分はあったが、何とか盛り返してくれた。馬の力を信じて乗りました」。出遅れ気味のスタートとなったが、しっかりと前を追った。
村上忍のペース判断が光った。
瀬戸幸師も笑顔だ。「よく頑張ってくれた。思ったより後ろになったが、うまいこと乗ってくれた。状態も上がってきていた」
ハイレベルな一戦を制した
フジユージーン。これが地元の盛岡、水沢以外での初めての勝利となった。今後は岩手だけでなく、
地方競馬のエースとしての活躍を期待してよさそうだ。
スポニチ