4月17日に開幕したホッカイドウ競馬は、7日に行われた
道営記念を最後に、24年シーズンが幕を閉じた。昨年より開催日数は2日増え、全84日間開催で行われた。発売額は543億6567万4750円で、一昨年に記録した527億7857万5710円(全85日間)を上回り、年間発売額のレコード2年ぶりに更新。計画比でも113・3%と好調だった。
近年の
地方競馬は、インターネット投票の占有率が高く、北海道も例外ではなく、発売額の93・5%を占める。コ
ロナ禍によるインターネット投票の定着が大きいが、前年より入場者数は延べ58339人と、前年より2334人増。
門別競馬場における発売額も、前年比100・97%と僅かながら上昇した。
JRAを含む各競馬場の売上を見ると、上げ止まり感が強まっているなか、「門別最強説」というキャッチコピー通り、ホッカイドウ競馬所属馬や移籍した馬の活躍が例年以上に目立った。
JBC2歳優駿は、4年ぶりに地元の
ソルジャーフィルド(牡2歳、北海道・
川島洋人厩舎)が制し、JBCデーの盛り上がりは最高潮だった。
ソルジャーフィルドはこの後、
全日本2歳優駿・Jpn1(12月11日、
川崎競馬場・ダート1600メートル)を目指す。
道営記念も、昨年の三冠馬
ベルピット(牡4歳、北海道・
角川秀樹厩舎)と、ダート
グレードホルダーの古豪
アナザートゥルース(セン10歳、北海道・
田中淳司厩舎)の熾烈な叩き合いは、非常に見応えがあった。ゴール直前で
ベルピットが捕らえ、今季は無傷の6連勝で優勝した。
ベルピットはこの後、
名古屋大賞典・Jpn3(12月19日、
名古屋競馬場・ダート2000メートル)を目指す。22年の
JBC2歳優駿(2着)以来のダート
グレード挑戦で、
JRA勢に立ち向かう。
熱いレースが繰り広げられた一方で、年間を通した出走頭数は171頭減となり、競走数も1R減った。開催日数の増加を考えれば物足りない。オフシーズンのある競馬で、2歳戦が主軸となるホッカイドウ競馬は、2歳戦を思うように組めない開幕当初は、3歳以上馬の確保という課題が毎年つきまとう。また、道内の場外発売は、本場を含む16か所のうち半分の8か所で前年比を下回った。週末は引き続き
JRA発売を、冬季期間の平日は南関東を中心とした
地方競馬を行う。その状況で、場外発売所の半数で売上が厳しかったことは、冬季期間の収益の上で、主催者は危機意識を高く持っていた。前年を大きく上回る数字を残したとはいえ、このような危機感を持つことは、来年の運営に向けて大切なことである。
昨年の
道営記念は、多重の落馬事故があり、騒然とした中で閉幕した。落馬した1頭である
ベルピットの陣営は、
道営記念制覇に強い思いを持っていた。昨年の2、3着馬や、
ベルピットと同世代の
ニシケンボブも加わり、少頭数ながら好メンバーがそろった大一番が、無事に終わったことで、関係者も安堵(あんど)の様子を浮かべていた。昨年は実施できなかったジョッキー交流会も、
道営記念の表彰式後に行われ、ファンも楽しんでいた。良い雰囲気で競馬開催が終わったことは何より。ホッカイドウ競馬の今季は終了したが、所属馬の遠征は続く。12日は
ローレル賞に
リオンダリーナ、13日の
ロジータ記念で
ポルラノーチェが川崎に遠征。
南部駒賞、
兵庫ジュニアグランプリにもトップホースたちが挑む。(競馬ライター)
スポーツ報知