展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく土曜付企画「G1展開王」。秋のマイル王決定戦「
マイルCS」は大阪本社の柏原健士が担当する。内側が荒れたBコース3週目の芝で外めの枠がいい方に出る、との読み。英国から参戦する6枠11番チャリンに◎を託した。
07年以降、京都芝はBコース開催(直線4メートル、曲線3メートル外側に内柵を設置)の
エリザベス女王杯が終われば
マイルCS週にCコース(同7メートル、6メートル)替わりで定着していた。それが今年は阪神がスタンド改修工事中で年末まで京都開催が続くからか、もう1週Bコースを使用。これが微妙に影響する気がした。
JRA公式サイトの「馬場情報」をチェックすると向正面直線から正面直線の内側に傷みがあるとされ、添えられた写真も7日撮影と14日撮影の比較で、より荒れているのが分かった。先週
エリザベス女王杯の
パトロールビデオを見ると直線は全馬、内側を空けたコース取り。勝った
スタニングローズは馬場の5分どころあたりまで思い切り外に出していた。枠、コース取りが勝敗の鍵になりそうだ。
◎は英国からやって来たG1・3勝馬チャリンに決めた。今年の欧州最強マイラーと言われる存在。英王室が主催する6月
ロイヤルアスコット開催のクイーンアンSでG1初制覇を飾り、
ジャックルマロワ賞と連勝した。続くムーランドロンシャン賞は逃げた
トリバリストを捉えられなかったが、この馬自身しっかり脚を使っている。今年の
ドバイターフ覇者
ファクトゥールシュヴァルに2馬身差をつけた前走クイーンエリザベス2世Sも文句なしの勝ちっぷりだった。G13勝はいずれも直線競馬とはいえ右回り【1・1・3・1】の実績が示すようにコーナーがある競馬でも問題なし。Bコース3週目である点を考慮すれば極端に内側の枠に入ると狙いづらかったが6枠11番なら、ちょうどいい。
メンバーを見ると何が何でも…の逃げ馬は不在。ただ、多頭数のG1で極端に緩い流れにはならない。内から
バルサムノートが先手を奪って
マテンロウスカイ、
エルトンバローズが続き、平均ペース。先行集団を視界に入れて脚をため、直線ズバッと差すイメージだ。今週末の京都はすっきりしない空模様だが馬場は良でも道悪でも問わない。父の父
アクラメイションの産駒は香港の
ロマンチックウォリアーが今年の
安田記念を制し、同じ
ダークエンジェル産駒
マッドクールは
高松宮記念V。ストームバード、
デインヒルが入った母系の血からしても時計が速くなっても、きっと対応できる。あとは最終追いで感触を確かめた名手ムーアにお任せ。13年ぶり延べ12頭目の外国馬参戦で初勝利が見えた。
スポニチ