「マイルCS・G1」(17日、京都)
混戦のマイル王決定戦を制したのは、若武者が駆る4番人気の
ソウルラッシュだ。昨年の2着など高かったG1の壁を7度目にして突破。鞍上の
団野大成騎手(24)=栗東・斉藤崇=は昨年の
高松宮記念(
ファストフォース)以来となる2つ目のG1タイトルをつかんだ。2着は7番人気の
エルトンバローズ、3着は10番人気の
ウインマーベル。1番人気の
ブレイディヴェーグは4着、3番人気に支持された外国馬のチャリンは5着に終わった。
首差2着の昨年のリベンジを果たした。G1・7度目の挑戦で
ソウルラッシュが、ついに初の
ビッグタイトルをつかんだ。鞍上の団野がゴール入線前にド派手な
ガッツポーズをするほどの完勝劇。この入線前の
ガッツポーズが『騎手としての注意義務を怠ったもの』としてレース後に過怠金5万円を科されたが…。それほど余裕の勝利だった。
「最高の気分です。思っていたポジションは取れませんでしたが、馬のリズムでしっかり運べましたし、それが最後の伸びにつながりました。いい結果を出せてすごくうれしいです」。中団の後ろで運び、4コーナーから進出開始。直線に向くと前がきれいにあいた。残り100メートルで先頭に立つと、後続を突き放してゴールに飛び込んだ。
団野にとっては期するものがあった。前哨戦の
富士Sで2着に負け、乗り代わりを覚悟した。だが引き続きの騎乗依頼。これに燃えない騎手などいない。2日前には
ヤマニンサンパで中東に遠征し「バーレーンインターナショナルトロフィー」に挑戦。結果は6着だったが、海外で得た経験も糧になった。
約10時間の飛行機移動で帰国したのはレース前日の午後5時。空港からそのまま調整ルーム入りするハードな日程だったが、むしろ大きな
モチベーションとなっていた。伏兵
ファストフォースで
高松宮記念を勝って以来のG1・2勝目に「今回は人気をしていたのでプレッシャーを感じていました。その中で勝てたのはうれしいです」と白い歯を見せた。
「感無量です。種牡馬入りさせたい馬。特にマイルのG1勝ちは需要が高いし、うれしいです」と初戴冠の喜びに浸ったのは池江師だ。ずっと雨を熱望していたが「結局、全然降らないから運がないなと思っていたが、杞憂(きゆう)に終わりましたね」。1分32秒0という速い時計での決着は、
ソウルラッシュの価値を高めたはず。次走は招待受諾済みの
香港マイル(12月8日・シャティン)。日本のマイル王として、その力を海外でも見せつける。
提供:デイリースポーツ