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森泰斗「心と体が衰えた」 騎乗ラストデー有終4勝!今後白紙「何かしら競馬に携わりたい」

スポニチ
  • 2024年11月30日(土) 05時00分
 南関東リーディング8回、全国リーディング5回を誇る地方競馬を代表する名手で、船橋今開催での引退を発表した森泰斗(43=船橋)が29日、現役最後の騎乗に臨んだ。8鞍に騎乗して4勝、2着2回の活躍だった。また1R開始前に記者会見を行い「心技体のうち心の部分と体の部分が衰えた」と引退理由を語った。所属した競馬場の廃止から地方競馬トップまで上り詰めた苦労人が約27年の騎手生活に別れを告げた。

 最終12Rを2着で終えた森が引き揚げると、重賞並みのファンで埋め尽くされたスタンドから割れんばかりの“泰斗コール”が響き渡った。馬上の森が帽子を取って一礼。「勝ちたかったな。競馬は甘くないな…」。勝負にこだわり続けた森らしい言葉だった。それでも現役ラストデーは8戦4勝、2着2回の活躍。逃げ差し自在の見事な手綱さばきを披露。最後はゴール前で騎手仲間に胴上げされ、3度宙を舞った。

 1R開始前の正午、記者会見を行い「心技体のうち心の部分と体の部分が自分の中で衰えた」と引退の理由を説明。「右足首が思ったように動かなくなり、自分の思うような騎乗ができないことが凄く増えてきた。2年くらい前から感じてきた。下り坂にいる自分を自覚し始めた」と話した。また親交のあるジョッキーの大ケガや、今年落馬事故で2人の騎手が命を落としたこともムチを置く引き金となった。

 「前の僕だったら思わなかったでしょうが、“怖い仕事だな”と思うようになった。心が弱ってきたと感じた」

 足利所属の騎手として98年、宇都宮でデビュー。北関東競馬の相次ぐ廃止により、05年に船橋に移籍する。重賞初制覇を飾った10年は前年の65勝から114勝と大きく飛躍。14年に初の南関リーディングを獲得すると、翌15年には初の全国リーディングに輝いた。今年も全国リーディングを快走中だった。「年末まで乗りたいという気持ちもあったがこれから寒くなると、パフォーマンスがより低下すると思った」。森の仕事への責任感の強さが今開催での引退を決断させた。

 今後は「今のところ全く白紙。何かしらの形で競馬には携わりたいなとは思う」。所属競馬場の廃止という憂き目に遭いながら、地方競馬のトップにまで上り詰めた苦労人。第二の人生に向けてじっくりと英気を養う。

 ◇森 泰斗(もり・たいと)1981年(昭56)1月11日生まれ、千葉県出身の43歳。船橋・千葉県騎手会所属。勝負服は胴緑青ダイヤモンド、袖青。98年4月18日、宇都宮競馬場でデビュー。同20日、宇都宮6Rで初勝利。05年、船橋競馬場へ移籍。10年、霧島賞(荒尾)で重賞初制覇。南関リーディング獲得8回(14、15、16、18、19、20、21、22年)。全国リーディング獲得5回(15、16、19、20、21年)。通算成績2万8333戦4448勝。重賞71勝。中央210戦11勝。主な同期に大井からJRAに移籍した戸崎圭太

 《地方時代の同期戸崎「違う形でサポートして」》森泰斗地方競馬教養センター時代に同期だったJRAの戸崎は、森の会見を受けて「心とか体のことは自分にしか分からないこと。僕も思うように乗れず、同じような感覚になった時もあったけど、今は“まだまだやれる”という気持ち。泰斗は、ここ(が引退のタイミング)と感じたということでしょう」とコメントした。「地方競馬に凄く貢献し、盛り上げてくれましたからね。お疲れさまでしたと言いたいです。ジョッキーではなくなる今後も、違う形で競馬をサポートしていってほしいです」と、新たなステージに進む同期にエールを送った。

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