「チャレンジC・G3」(30日、京都)
もうこれは完全復活と言っていいだろう。単勝3番人気の
ラヴェルが、2歳時のアルテミスS以来となる美酒に酔った。
前半1000メートル通過が58秒4のハイペースを中団前めの馬群から。「前半からリズムを大事にしながら、終始、動きをつくりながらの道中でした。折り合いというよりも、動きをつくる方が大事なので」と前走に続いて手綱を取った川田は、パートナーの走りに専念した。4角にかけて徐々にスパートを開始。早め先頭の
セイウンハーデスを直線半ばでパスすると、最後は
ディープモンスターの猛追も涼しい顔でしのぎ切ってみせた。
最後の白星が2年1カ月前。あの
リバティアイランドに土をつけて以来の勝利だ。殊勲の鞍上が「何より、この馬が久しぶりに勝ったということが大事なこと。この時間をスタッフの方たちとともに喜んでもらえたらなと思います」と汗を拭えば、矢作師も「スタッフが調教を工夫して立て直してくれた」と尽力をたたえた。ハミをはじめとした馬具や調教など、試行錯誤の日々。それらを経て、長いトンネルの出口へとたどり着いた。
この勝利で、サウジで行われるネオムターフC・G2(25年2月22日・キングアブドゥルアジーズ)の優先出走権を獲得。次走については未定だが、指揮官は「
エリザベス女王杯と今回の出来なら、大きな仕事もできる。
リスグラシューみたいにね」と、かつて同じ勝負服をまとって世界を制した功労馬と姿を重ね合わせた。再び軌道に乗った4歳牝馬の可能性は、無限に広がっている。
提供:デイリースポーツ