スマートフォン版へ

【チャンピオンズC】レモンポップ 有終連覇 絶妙ペースで10センチしのいだ 田中博師は涙止まらず

デイリースポーツ
  • 2024年12月02日(月) 06時00分
 「チャンピオンズC・G1」(1日、中京)

 砂の王者が有終の美を飾った。1番人気のレモンポップが敢然と逃げ、ゴール前は大接戦となったが、鼻差しのぎ切り、連覇でラストランを締めた。これでG1級6勝目。最終レース後には坂井瑠星騎手(27)=栗東・矢作=ら関係者とともに引退式が行われた。2着に2番人気のウィルソンテソーロ、3着に9番人気のドゥラエレーデが入り、昨年と1〜3着まで同じ着順となった。

 万感のラストランだった。主導権を握ったレモンポップが昨年と同様に逃げ切り、現レース名になってからは初の連覇を達成した。これで国内のG1級レース6戦6勝。有終の美を飾り、鞍上の坂井は左腕を何度もファンに向かって突き上げた。「背中にいられたことを誇りに思います。引退しても忘れることのない一頭になりました」。別れを惜しむように、最高のパートナーに感謝の言葉を贈った。

 絶好のスタートを決めると「来るなら来い」とハナを主張した。前半1000メートルは1分0秒8。昨年より0秒1だけ速い絶妙のペースを刻むと、抜群の手応えのまま直線へ。「これで差されるなら仕方ない」。必死に追う鞍上の気迫に応え、最後はウィルソンテソーロの猛烈な追い上げを、わずか10センチしのいだ。

 絶対王者として注目され続ける存在だったが、今年は順風満帆ではなかった。田中博師が「膨らんだ風船が破れそうな感じ」と評するように、抜群の仕上がりだった昨年のチャンピオンズC後は精神面の不安がつきまとった。「馬場入りで今までにない挙動を見せたり、調教で2歳馬に遅れたり。気持ちの部分で衰えを感じていました」。今回も抜群のコンディションでレースに送り出したが、あとは馬の気持ち次第。信じるだけだった。

 それだけに最後の激闘を見届けた師は涙が止まらなかった。「勝ってくれた喜びと申し訳ない気持ちと…。いろんな思いが込み上げてきました」。厩舎に初の重賞、G1をもたらしてくれた看板馬に、「最後までいろいろなことを教えてくれた先生でした。お疲れさまとありがとうという言葉しかないですね」と言葉を紡いだ。

 最終レース後には多くのファンや関係者に見守られ、ウイナーズサークルで引退式が執り行われた。「G1(級)6勝は全て思い出深いですが、きょうが一番うれしいし、ほっとしました」とほほ笑んだ坂井。ダート界にその名を刻んだレモンポップ。今後は種牡馬として、そのあふれるスピードを子どもたちに伝えてくれるはずだ。

提供:デイリースポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す