◆第25回
チャンピオンズC・G1(12月1日、中京・ダート1800メートル、良)
第25回
チャンピオンズC・G1は1日、中京競馬場で行われ、1番人気の
レモンポップが史上2頭目の連覇で有終の美を飾った。2年連続の逃げ切りで今年は10センチの鼻差。国内のG1級レース6連勝全てに騎乗した
坂井瑠星騎手(27)=栗東・矢作厩舎=が、スポーツ報知に独占手記を寄せた。2着
ウィルソンテソーロ、3着
ドゥラエレーデで、平地G1では初めて2年連続同一着順でのワン
ツースリー決着となった。
レモンポップの有終の美を飾ることができました! 最高。最高です。感動しました。
レースはゲートを出てから考えるつもりでしたが、G1なので腹をくくって逃げました。これで来られたら仕方がない。あとは、ペースは速すぎず遅すぎず。去年が1000メートル通過が1分0秒9で、今年が1分0秒8。馬がいつもと同じリズムで走っていたら、去年とほぼ同じペースでした。
後ろから
ウィルソンテソーロが来ているのは分かりましたが、あんなにギリギリとは思いませんでした。勝ったと思って、「よっしゃー!」と叫びましたね。なので、
ウィニングランのとき(着順掲示板に)「写真」と出たのを見て、ビビりました。負けてたらどうすんの、と。最後の直線での手応えは、去年より良かったんです。ここ2戦になかった反応。それは厩舎が仕上げてくれたおかげです。こうなったら、引退してほしくないと思ってしまいます。
印象的なレースは、初めて騎乗した昨年の
フェブラリーS。ここを勝ったらデカいな、と思いましたし、負けたら、間違いなくその後は乗れていなかったと思います。そのときから毎回プレッシャーがありました。でも、それは騎手としてうれしいプレッシャー。この馬に関しては、うれしい思い出より、ホッとした思い出の方が多いです。「ああ、勝ってよかった」「負けずによかった」と。何か一つ間違えたら負けていたレースもありましたし、とにかく、勝ち続けられたことが自分にとって大きかったです。僕も重圧に強くなりました。
レモンポップはずっと自分の中心にいた存在。それだけ大きな存在で
モチベーションでした。初めて乗ったのが、もっと前に感じるぐらい。レースの直前でなくても、「あとどれぐらいでレースだな」と考えていました。
レモンポップにふさわしいジョッキーにならないと、と思ってきましたが、最後に、少しはなれた気がします。
国内G1級で6戦6勝…本当にすごい。歴史的なダート馬だと思います。その背中に居続けることができました。
レモンポップには「ありがとうございます」と伝えたいです。最強のままでいてくれて、ありがとう。(
JRA騎手)
◆
レモンポップ 父レモンドロップキッド、母アンリーチャブル(父ジャイアンツ
コーズウェイ)。美浦・
田中博康厩舎所属の牡6歳。米国・Oテイト夫妻の生産。通算成績は18戦13勝(うち地方3戦3勝、海外2戦0勝)。主な勝ち鞍は23年
根岸S・G3、
フェブラリーS、
チャンピオンズC(以上G1)、23&24年
南部杯、24年
さきたま杯(以上Jpn1)。総獲得賞金は7億6020万円(うち地方2億2500万円)。馬主はゴドルフィン。
スポーツ報知