開催日翌日の静まり返ったスタンドに力強く蹄音を響かせた。
JRA2歳女王決定戦「第76回
阪神ジュベナイルフィリーズ」でレース史上初めて参戦する外国馬として注目の
メイデイレディが2日、京都競馬場のダートコースで追い切りを消化。単走で手応え良く、きびきび動いて好調をアピールした。米国から来日し、環境が変わっても動じる様子は一切なし。前走BCジュ
ベナイルフィリーズターフ2着好走の末脚がうなりを上げる。
まだ2歳、初の海外遠征とは思えないほど落ち着きがあり、どっしり構えている。米国馬
メイデイレディは日本人スタッフの伊藤洋輔助手を背に京都ダートコースへ。先週金曜と同様に右回りのダク(速歩=はやあし)で1周し、4角を過ぎたところから反転して左回りで向正面のラスト5F(1000メートル)標識からペースアップ。右回りで開催される京都にもかかわらず、左回りの調教を行ったことについてリー師は「米国にいる時と同じように調整したかったため」と説明した。
スピードに乗るとス
トライドが一気に伸び、迫力満点のフットワーク。直線はさらに四肢の回転が速いフォームに変わり、シャープな伸びを見せた。しまい強めに追って5F65秒1〜1F12秒6でフィニッシュ。追い切り後のクールダウンも時間をかけ、悠々と厩舎に引き揚げた。
20日の来日後、
JRA競馬学校(千葉県白井市)での検疫を経て26日に京都に移動し、ここまで順調そのもの。リー師は「先週金曜に追い切りを予定していましたが、私自身の感覚で変更しました。今朝もいつも通りの稽古。動きやタイムもいい感じ。思っていた通りの調整ができました」とうなずく。
8月4日にサラトガ芝1700メートルのデビュー戦を白星で飾ると続くケンタッキーダウンズジュ
ベナイルフィリーズS(リステッド)、G2ジェサミンSと3連勝。G1初挑戦となった前走BCジュ
ベナイルフィリーズターフは後方から追い込み、勝ち馬レイクヴィクトリア(5戦全勝で欧州
最優秀2歳牝馬に輝いたアイルランド馬)に1馬身半差の2着に好走した。無敗の連勝は途切れたものの、悲観する必要なし。「前走は初めての空輸でも問題なく力を発揮してくれた。今まで管理した中でも特別な馬です」と素質にほれ込んでいる。
JRA2歳G1の外国馬出走は初めて。「前々走のジェサミンSを勝った後、オーナーサイドに日本遠征を提案した」。日本に滞在経験があり、日本人と結婚したリー師にとって、このチャレンジには特別な意味がある。早くからプランを練り、狙い済ました遠征でデカいタイトルを獲りに行く。
《日本でも活躍タピット産駒》
メイデイレディは今春のOBSエイプリル2歳セールにおいて32万5000ドル(約4600万円)で取引された。米国産の母ネモラリアは16年に芝1400メートルの英G3
シティオブヨークSを制し、芝1600メートルの英G1コロネーションS2着など芝で活躍。父が数多くのG1馬を出しているタピットで日本では
テスタマッタが12年
フェブラリーSを制し、芝では
ラビットランのG2勝ち(17年
ローズS)がある。
スポニチ