「阪神JF・G1」(8日、京都)
今年3月に開業したばかりの
福永祐一調教師(47)=栗東=に、G1初制覇のチャンスが訪れた。送り出すのは
デイリー杯2歳S覇者の
ランフォーヴァウ。騎手時代に3勝を挙げた相性のいい一戦で、牡馬を相手にG2を勝ち切った好素材とともに、史上7人目となる開業初年度のJRA・G1制覇を狙う。レース史上初参戦となる外国馬
メイデイレディは京都競馬場で最終追い切り。軽快なフットワークで好気配を伝えた。
騎手時代に3勝。ダービーや
オークスなどと並び、自身最多タイの勝利を数えた相性のいいG1に挑む福永師。トレーナーとして初めてとなる
ビッグタイトル奪取に燃えている。
送り込む
ランフォーヴァウは、出世レースと名高い
デイリー杯2歳Sの覇者。
赤松賞に使う予定を1週前倒しての実戦だったが何のその。操縦性と脚力の高さを見せて快勝し、師は「内容は言うことなかったです。100点」と走りに満点評価を与える。今回は7頭立ての少頭数から一気に多頭数での戦いになるが、「内から伸びていたし、それをフルゲートでも生かせれば」と好勝負を見据えている。
この馬との出会いは今年5月。千葉サラブレッドセールで指揮官自らチョイスし、オーナーに購入してもらったという。「
バランスが良くて、脚さばきも軽かったんです。動かして軽さがありました」と注目したポイントを挙げる。続けて、「千六をこなしてくれて良かったです。思ったよりいい走りをしてくれていますし、こんな早く重賞を勝つとは思いませんでした」と目尻を下げた。
前走から間隔が詰まって中3週。それでも1週前に栗東CWで好ラップを刻み、師は「好調をキープしている」と、コンディションに不安なしの
ジャッジを下している。
勝てば
グレード制導入後の84年以降では08年の鹿戸師(
ジャパンC=
スクリーンヒーロー)以来、7人目となる開業1年目でのG1制覇だが、「人気もせんやろし、楽な気持ちで」と至って泰然自若だ。騎手時代に数々の金字塔を打ち立ててきた名手が、ステッキからタクトに持ち替えて偉業を成し遂げる。
提供:デイリースポーツ