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【こちら日高支局です・古谷剛彦】女性騎手とグランプリ王者になった韓国最強馬 ファンの夢を乗せて次は世界挑戦へ

スポーツ報知
  • 2024年12月04日(水) 11時05分
 韓国競馬で行われる年末の大一番・グランプリ(韓国G1)が1日、ソウル競馬場で行われた。16年から始まったコリアCの上位馬が活躍する一戦で、3着に健闘したグローバルヒットが、単勝1・4倍と断然の支持を集めた。昨年の2冠馬であり、韓国女性騎手の第一人者であるキム・ヘソン騎手とのコンビは、多くのファンをつかんでいる。前走の大統領杯でも、単勝1・2倍の5馬身差で完勝し、国内最強の称号は得ている。

 週中にソウルは降雪があり、この日の馬場状態は、日本的にいう不良馬場。長距離戦らしく、前半5ハロン63秒台のスローとなり、折り合いに課題のあるグローバルヒットは、道中で苦労しているシーンもみられたが、4コーナーで外に持ち出すと、直線の脚は1頭で違った。上がり3ハロンは、メンバー唯一の36秒台(36秒9)をマークし、重賞連勝で今年を締めくくった。

「グローバルヒットと一緒に戦ってきたなかで、私の夢はグランプリを優勝することでした。昨年は自分の力不足で2着だったことを思い出すと、泣きそうです」と、レース後のインタビューでキム・ヘソン騎手は話していた。この後はドバイ・ワールドC参戦を予定している。「グローバルヒットにそのようなチャンスをいただけることはありがたく、私もすごい名馬に乗っているという実感があります」(キム・ヘソン騎手)。

 このコンビの人気ぶりはすごく、ゴール前で複数の人が横断幕を持って応援するファンもいた。先頭でゴールした瞬間の歓声は、私も身震いをした。コロナ禍で厳しい時代を経た韓国競馬だが、若い世代はもちろん、家族連れで訪れるエリアにもなり、フードコーナーが新しくなるなど場内の雰囲気は一気に変わった。

 コリアCは近2年、選定馬のレーティングを上げたことで、日本馬の強さが際立つ。ジャパンCも創設当初は、日本馬は苦しい戦いが続いた。しかし、強豪に立ち向かい続けることの経験は、得るものが大きい。この日がチャンピオンズC当日だったこともあり、現地の記者に「あなたが勝つと思う馬は?」と聞かれた時に「レモンポップ」と答えると、「クラウンプライドウィルソンテソーロよりも?」とさらに質問された。

 国際競走を行うことで、他国の競馬が気になり、色々と吸収しようとする姿勢も生まれる。韓国馬のドバイ・ワールドC挑戦は、19年ドルコン(11着)以来となる。グローバルヒットとキム・ヘソン騎手のコンビが、さらなる夢へと突き進む。(競馬ライター)

スポーツ報知

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