有馬記念の単勝最高配当と言えば91年の
ダイユウサクの1万3790円だが、3連単は
ダイワスカーレットが勝利した08年の98万5580円だ。この年、
ダイワスカーレットは1番人気だったにも関わらず、これだけの高配当となった一戦を振り返る。
この年の
有馬記念は、
天皇賞(秋)を制したファン投票1位の
ウオッカ、
日本ダービー馬の
ディープスカイ、
菊花賞を制した
オウケンブルースリが出走せず。同年のクラシック勝ち馬、春秋の天皇賞馬が不在という異例の事態だった。そんな中で1番人気に推されたのは、前年に
桜花賞、
秋華賞、
エリザベス女王杯を制した4歳牝馬の
ダイワスカーレット。
天皇賞(秋)で2着に敗れた後、
ジャパンCを
スキップ。年末の大一番に向けて、きっちりと仕上げられていた。
レースは
ダイワスカーレットがペースを作った。序盤から11秒台のラップを連発。中盤で13秒台を挟みはしたものの、締まった流れとなった。そのまま勝負所へ。
ダイワスカーレットの手応えには余裕がある。逆にこれを番手で追走した
メイショウサムソンは苦しそうだ。早めスパートの前年覇者
マツリダゴッホ、
スクリーンヒーローも直線半ばで一杯。かわって追い上げてきたのは後方待機の
アドマイヤモナーク、そして中団で脚をためた
エアシェイディだ。結局、
ダイワスカーレットが危なげなく押し切り史上4頭目となる牝馬による
有馬記念勝利となった。2着は14番人気の
アドマイヤモナーク、3着は10番人気の
エアシェイディ。2番人気の
マツリダゴッホは12着、3番人気の
スクリーンヒーローは5着に沈んだ。
3連単はレース史上最高配当となる98万5580円。ほぼ100万円馬券の超高額配当がターフビジョンで発表された瞬間、超満員となった中山競馬場のスタンドからは大歓声が上がったのだった。