手塚師の息子、手塚貴徳助手は3度目の受験で大願成就。「ここがスター
トライン。より一層精進していい厩舎をつくり、競馬を盛り上げていきたい」と次のステージでの決意を語った。
調教師を目指すきっかけは12年ダービー。東京競馬場でアルバイトしていた手塚助手は、
アルフレードを送り出す父の働きぶりを目の当たりにした。「父が楽しそうに働いている姿を見て、自分も父のように競馬を楽しみたいと思った」。その後、大学の馬術部に入り乗馬を勉強。競馬学校卒業後は相沢厩舎で馬の育成にいそしんできた。
目標の調教師は師匠の相沢師や父の手塚師。「相沢厩舎も手塚厩舎もスタッフが伸び伸びと働いている。自分もいろいろな人に愛されるような厩舎をつくりたい」。父の手塚師は「(手塚助手は)大学時代に大ケガをして挫折を味わっている。2世ということにはなるけれど、雑草魂がある人間。頑張ってほしいね」とエール。偉大な父の背中を追いかける新たな旅路が始まる。
◇手塚 貴徳(てづか・たかのり)1992年(平4)6月25日生まれ、茨城県出身の32歳。18年から美浦・相沢厩舎で助手。
【秋本大介さん
有馬記念勝ちたい】小島太元調教師に憧れ調教師を志した秋本大介助手。目標とする調教師に師匠の菊川師の名前を挙げ「スタッフに対して明るく優しく接してくれているし、そうした姿勢が馬に対してもいい影響を与えているので」と理由を説明。その上で「たくさんの方に信頼される厩舎を目指したい。子供の頃から一番好きなレース、
有馬記念を勝ちたいですね」とこれからの目標を掲げた。
◇秋本 大介(あきもと・だいすけ)1981年(昭56)9月1日生まれ、神奈川県出身の43歳。12年から美浦・木村厩舎で調教厩務員。16年から菊川厩舎で調教助手。
【平岩大典さん
アスコットで勝利を】学生時代、
藤沢和雄元調教師の著書を読み調教師を目指したという平岩大典助手は10度目の挑戦で見事合格。「馬主、スタッフ、関係者に“平岩厩舎に携わって良かったな”と思ってもらえるような厩舎運営をして恩返しをしていきたい。海外競馬を見て競馬に興味を持ったので、英の
アスコットゴールドCを勝ちたい」と今後の抱負を語った。
◇平岩 大典(ひらいわ・だいすけ)1983年(昭58)3月31日生まれ、愛知県出身の41歳。13年から美浦・加藤征厩舎で調教厩務員。15年から武市厩舎で調教助手。17年から大竹厩舎へ。
【松尾卓哉さん 自分も強い馬つくる】99年
凱旋門賞2着の
エルコンドルパサーに感動し調教師を志した松尾卓哉助手は11度目の受験で合格。「自分も強い馬をつくりたい」と熱い気持ちを語った。「現所属の千葉師は従業員をよくまとめ職場環境がいい点。中野栄治元調教師は人のポテンシャルを引き出すのがうまかった。それに近づけるように」と理想の調教師像を思い描いた。
◇松尾 卓哉(まつお・たくや)1981年(昭56)10月7日生まれ、新潟県出身の43歳。12年から美浦・粕谷厩舎で調教厩務員。13年から中野厩舎で調教助手。24年から千葉厩舎へ。
【室井潔さん 4厩舎での経験糧に】室井潔助手は1次試験は18度目、2次試験は5年ぶり6度目で合格した。父・康雄氏は宇都宮の元調教師で幼い頃から父の背中を見て育った。「父が管理馬を中山競馬場などに連れて行くことがあり自分も大きな舞台でやってみたいと思っていた」。4つの厩舎を渡り歩いてきた経験を生かす。「従業員が前向きな気持ちになれるように」と意気込みを口にした。
◇室井 潔(むろい・きよし)1975年(昭50)7月23日生まれ、栃木県出身の49歳。03年から美浦・清水美厩舎で厩務員。14年から武井厩舎で調教助手。15年から高橋文厩舎、17年から大和田厩舎へ。
【井上智史さん まず最初の1勝】井上智史助手は07年から松永幹厩舎一筋。10度目の受験で難関を突破し、「とても長い時間がかかった。受け続けて良かった」。安どの表情が印象的だった。「ずっと近くで見てきて、人柄が素晴らしい方」と師匠である松永幹師を理想の調教師像とし、「まずは最初の1勝が目標。勝ちたいレースは日本を代表する
日本ダービー、
有馬記念」と活躍を誓った。
◇井上 智史(いのうえ・さとし)1981年(昭56)10月24日生まれ、大阪府出身の43歳。07年から栗東・松永幹厩舎に所属。思い出の馬は地方交流重賞4勝を挙げた
セレスハント。「最初に携わった馬で、長く活躍してくれて非常に思い出深い」。
【加藤公太さん
ドバイWCを目標に】加藤公太助手は6度目の受験で合格。「責任感の重い仕事。引き締まる思い」と決意を新たにした。目標のレースには助手時代に
チュウワウィザードと共に2度挑戦(21年2着、22年3着)したドバイワールドCを挙げ、「貴重な経験をさせていただいた。海外や
地方競馬でも一生懸命走ってくれて。そういった馬をつくっていけるように調教師としても頑張っていきたい」と意気込んだ。
◇加藤 公太(かとう・こうた)1972年(昭47)12月26日生まれ、京都府出身の51歳。00年から美浦・森安弘昭厩舎に所属。02年から栗東・佐山優厩舎、10年からは大久保厩舎。携わった
スマートレイアーに「ホースマンとしてレベルアップしなければならないと思わせてくれた」と感謝。
【柴田卓さん いずれ
凱旋門賞挑戦】長い道のりだった。柴田卓助手は1次試験に13度、2次試験は11度目の挑戦。「遠回りしましたが、これがいい時間だったと思えるようになれば」と喜びを口にした。母方の祖父が
シンボリ牧場を手がけたオーナーブリーダーの和田共弘氏。名門の血を受け継ぐ。「いずれ祖父が挑戦した
凱旋門賞に」と大きな夢を掲げながら「チームで喜びを分かち合える厩舎づくりを」と思い描いた。
◇柴田 卓(しばた・すぐる)1980年(昭55)5月18日生まれ、兵庫県出身の44歳。母方の祖父が日本馬として初めて
凱旋門賞に出走した
スピードシンボリのオーナーブリーダーである和田共弘氏。08年から栗東・荒川厩舎に所属。20年に池添兼厩舎へ。23年から小栗厩舎で調教助手を務めた。
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