海の向こうで開かれる12月の一大イ
ベント、香港国際競走が明日に迫った。日本馬は4競走に9頭。欧州や
オーストラリアの遠征組、迎え撃つ立場の地元馬を含め、実力馬がそろう。現地出張中の坂田高浩記者が決戦の地シャティンから最新気配をリポートする。
香港のス
プリント界を揺るがす衝撃的な強さだった。カーイン
ライジングは前走ジョッキークラブス
プリント(G2)で7連勝。勝ち時計は歴史的な名馬
セイクリッドキングダムが記録したコースレコードを17年ぶりに更新。しかも鞍上のパートンがゴール前に手綱を緩めながら、右手を突き出す余裕さえ見せた。いよいよG1初挑戦。地元の新たな怪物に断然人気が集まることが予想される。
金曜朝はシャティンのオールウェザーでキャンター。見届けた
ヘイズ師は「ノープロブレム」と笑顔を見せた。キャリアを積むごとに凄みを増す愛馬を見て、自信を深めた様子だ。「シャティンのコースレコードを塗り替えるのは簡単なことではないけど、前走でそれをやってのけた。負けた2戦(デビュー2、3戦目に連続2着)はまだ成長途上の段階だったからね」と回顧。「G1馬を破ったことはあるけど、まだG1馬ではない。でも大丈夫。この馬はすぐそうなる」とうなずいた。
デビューから一貫してス
プリント戦に起用。強みについて、
ヘイズ師は「ゲートを出る時のスピードがあり、道中は
リラックスして、いざという時に加速できる」と分析した。今後のプランについてはマイル起用も視野に入れている。「香港クラシックマイル(1月31日、シャティン芝1600メートル)に使おうと思っている。そして長期的な目標は(来年下半期の豪G1)ジ・エベレスト(ランドウィック芝1200メートル)だね」と見据えた。まずは初のG1タイトルを手にし、さらなる飛躍につなげる構えだ。
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