土曜付企画「G1展開王」は数多くある予想
ファクターの中から、展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく。暮れの2歳女王決定戦「阪神JF」を担当するのは東京本社・後藤光志記者。持ち前の自在性を武器に、あの馬の逃げ切りVに期待した。
今年は京都開催。外回りの芝1600メートルは3角に淀名物の坂が待ち構える特殊なコース形態だ。うら若き2歳牝馬にとっては決して楽な道のりではない。ペースが上がる下り坂をしっかり我慢し、直線でいかにトップスピードを発揮できるかが鍵を握る。
折り合い面に不安のない
ミストレスの逃げ切りに期待する。スタートする向正面の直線は上り坂。3角までの距離も長いため、テンからガンガンやり合うシーンは想像しにくい。ゲートもダッシュも速い
ミストレスが難なく先手を取れる。中団に構える強敵
ブラウンラチェット、
ショウナンザナドゥを尻目に淡々とマイペースを刻む。下り坂で勢いをつけて直線へ。後続がジリジリ差を詰める中、早めの仕掛けで粘り込む見立てだ。
この馬の武器は操縦性の高さ。ここまで2戦1勝、2着1回。いずれも非凡な速力で楽に主導権を握った。前走
アルテミスS(2着)は4、5F目で12秒台のラップを刻み、息の入る展開。直線は勝ち馬
ブラウンラチェットの決め手に屈したものの、上がり3F33秒8の脚で食い下がった。デビュー戦も同様に中盤で我慢を利かせ、あっさり逃げ切った。加速も減速も自在で、初の京都コースも問題にならない。
今秋の京都は開催10週目。使い込まれた内ラチ沿いの芝は荒れている。外差し有利かと思いきや、そうでもない。先週は先行馬の活躍が顕著だった。土日で芝は10レース行われた。勝ち馬10頭中、7頭が4角4番手以内。9番手以下からの差し切りはなかった。一方、4角先頭の馬は勝利こそないものの2着4回。掲示板を外したのは10頭中わずかに2頭だった。
ミストレスにとっては絶好の馬場状態。前走のようにあっさり捉えられることはない。(7)から。
スポニチ