「カペラS・G3」(8日、中山)
外から追いすがる
クロジシジョーを首差しのぐと、吉田隼は左手を握りしめ、初タイトルを手にした
ガビーズシスターの首筋をポンとたたいた。「ホッとしています。今までのレースを見てすごく優等生だったので、馬に連れていってもらった感じです」と感謝した。
鞍上は4月の福島牝馬Sで落馬し、戦線離脱。頭部負傷などで復帰まで約5カ月かかった。10月に戻り、これが復帰後重賞初制覇。「体は問題ありませんが、大きなけがだったので。こんなチャンスをいただけるとは。また一から」と控えめに笑った。
管理する森一師も初の重賞制覇。3月の開業時に、定年解散した中野栄治厩舎から引き継いだのが
ガビーズシスターだった。観戦に訪れていた中野元調教師が検量室前でわが事のように喜ぶ姿に、森一師は「先生が大事に育ててくださった馬。栄治先生の前で勝つことができてうれしいです」と胸をなで下ろした。
来年2月のサウジアラビア・リヤドダートス
プリントの優先出走権も獲得した。「状態を確認して、次はオーナーと相談して」と師。夢が果てしなく広がる勝利だった。
提供:デイリースポーツ