JRA(日本
中央競馬会)は12日、
武豊騎手(55)と元
メジャーリーガーのイチロー氏(51=
マリナーズ球団会長付特別補佐兼イン
ストラクター)がコラボしたスペ
シャルムービー「ICHIRO MEETS KEIBA MOVIE」を、特設サイトで公開した。
第3回のテーマは「チーム」。完全なチームスポーツの野球についてイチロー氏は「ややこしいです。チーム競技なのに、個人でできなかったらボロカスですからね。チームが勝っても。ボロカスですからね。チーム競技じゃないのと言いたくなることもある。チームがうまくいっていたとしても、個人で結果出せていなかったらおまえクビで終わりなんで。やるしかないですよね。チーム
ファーストなのか個人
ファーストなのか問われたら凄く困りますよ」と口火を切った。
武豊の疑問はチームが勝って自身は4打数無安打、チームは負けても自身は4打数4安打、どちらに満足感を得られるのか、ということ。イチロー氏は「どんなゲームかにもよります。シーズン最後でプレーオフ出られるかどうかの試合、その1試合で決まってしまう、負けたら終わり、であればもちろんそれは勝ちです。でも、基本的には4の4ですよ。じゃなかったらプロじゃない」とした上で「みんな言うんですよ、チームの勝利のために。じゃあ今年の抱負はチームの優勝、いや、それは当たり前だろって思うじゃないですか。そんなこと、言うことじゃないんですよ。当然それはあるものであって、その上でどんな目標が、と応えて欲しい」と続けた。
武豊は「競馬はまた違うかもだけど、1頭の馬がいて調教師がいたり、調教助手、毎朝担当する人、馬を世話する人とかあるんですけど、我々はどの馬に頼まれるか、依頼なんで。そうするとその時はそこのチームでも、次は違う馬に乗るかもしれない。1回1回なので。いるんですよね、『僕はこの馬のために』とか言ってマスコミ向けのコメントする。僕は違うなと思って。1回1回結果を出して出せなかったらクビになってもしようがないってそっちの考えなので。結果出すことが一番、それはジョッキーの仕事としていいレースをする、ただそれだけでいいんじゃないのという感じなんですよね」と自身の考えを口にした。
強いチームはいい時にこそ厳しいことを言い合えるとするイチロー氏。
武豊は適切な距離感を取り、「必要以上にはいかないようにしていますね」とし、「よし、一緒に頑張ろうなみたいな雰囲気までは僕はあまり出さない方。仕事は仕事で馬を世話する人、毎日調教乗る人を尊敬しているんで。この人は僕よりも馬の調教はうまいはずだ、と。お互い尊重しあう方が好きなので。その代わり競馬は僕に任せてくださいの方が好きなので」と続けた。
理想のチームワークについてイチロー氏が「本音で言い合えるチーム。これが強いチーム、いいチームにつながる」とすると、
「まったく同じですね。本音で言い合えて尊重しあえる感じがいいのかなと思いますね」と
武豊も呼応していた。
テーマが「
モチベーション」の第4回は12月17日、「
有馬記念」の第5回は12月20日公開予定となっている。
スポニチ