「朝日杯FS・G1」(15日、京都)
5番人気の
アドマイヤズームが直線で鮮やかに抜け出し、未勝利戦から連勝でG1を制した。
川田将雅騎手(39)=栗東・フリー=は昨年の
ジャンタルマンタルから2年連続で同レース最多タイ4勝目。
友道康夫調教師(61)=栗東=は21年
ドウデュース以来3勝目。2着に2番人気の
ミュージアムマイル、3着に9番人気の
ランスオブカオスが入った。1番人気の
アルテヴェローチェは5着だった。
マイラーとしての資質の高さを示す一撃だった。5番人気の
アドマイヤズームが混戦模様だった2歳マイル王決定戦を制覇。前半の600メートルが35秒4のスローペースのなか、2番手にきっちりつけ、直線で早々と先頭に立って押し切った。
未勝利を勝ったばかりの1勝馬によるG1勝利。「いい走りで勝ち切ってくれてホッとしています。道中で我慢することができましたし、3、4コーナーをとてもスムーズに下って来られました。4コーナーで反応を見た時に、しっかりと動いてくれましたので負けることはないなと感じました」。昨年の
ジャンタルマンタルに続く連覇を果たした川田は納得の表情で振り返った。
デビュー戦当時から期待は高かった。しかし気性が幼く、力を出せずに4着に敗戦。実戦を一度経験して2走目で初勝利を飾ったが、ゴール板を過ぎてからコントロールが利かずに止まらなくなるという粗削りな面が目立っていた。
それだけに友道師も喜びはひとしお。「日頃から
テンションが上がりやすいタイプ。でも、ここに向けてしっかりと負荷をかけることができました。未勝利戦で追いだしてからの反応が良かったし、いい脚を長く使えるのがストロングポイント。抜け出してくる脚は力強かったですね」と、大一番で力をフルに発揮できたことに目を細めた。
サクセスロードはまだ始まったばかり。「マイルがベストと思います」と川田が言えば、友道師も「マイル路線と思います。オーナーとの相談になりますが、来春はNHKマイルC(5月11日・東京)を目指していきたい」と最強マイラーとしての活躍に期待を膨らませつつ「これからもっと良くなる馬だと思う」と力強く語った。
有馬記念を控える厩舎の先輩
ドウデュースへ、最高の形でバトンをつなげた
アドマイヤズーム。淀で輝きを放った
モーリス産駒がさらに成長した姿で、来年のマイル路線の主役を突き進む。
提供:デイリースポーツ