今年の
有馬記念は
アーバンシックで
菊花賞を制した
武井亮師(43)をはじめ、5人の若手調教師が初めて冬の
グランプリに管理馬を送り出す。個性豊かな実力馬を擁する新鋭トレーナーが打倒
ドウデュースに燃える。
――大きく精神面が成長したと聞いています。
「この馬は時間がかかりました。こちらの指示を聞けないので、群れで過ごす馬の習性を利用して調教するしかないという感じだった。牧場でも工夫しながらやってきた。それが
セントライト記念の前に、大きく変わってきた」
――筋肉も大きくなったように見える。
「
セントライト記念、
菊花賞の前は“あまり成長がない”と言ったんですが、それはネガティブな意味ではなく、これから来るだろうなと。今回はそれが出てきた。まだ背中をグイングインと伸縮させて加速させるというよりグーンと伸びる感じなので、長い距離や
有馬記念のような舞台が合うと思う」
――
菊花賞を制した直後の気持ちは?
「淡々と“勝ったな”くらいでした。うれしいんですけど、それはどの馬もレースも一緒なんです。凄く良くしてくれている(シルクレーシング代表の)米本さんが“うちの馬で武井君のG1初勝利をしたい”とレースの前と後も言ってくれていたんです。(ノーザン
ファーム空港の)川崎場長も最後まで待ってくれていたり。個人的に特別な思いはなかったけど、周りの人が喜んでくれるのは、凄くうれしかったですね」
――相手関係は?
「
ドウデュースはめちゃくちゃ強い。現4歳世代が弱いと言われてきたけど、今は5歳世代が強過ぎただけではと自分の中の考えを修正しています。でも、絶対負けるとは思っていない」
――
有馬記念初出走への思いを。
「有馬と言うか、5億円のレースだなと(笑い)。普通に考えたら、調教師が一年間で稼ぐ平均賞金より大きいので。もし勝ったら来年一年間働かなくてもいいじゃないですか。冗談ですけど、それくらいのインパクトがある。馬としても凄いメンバーがそろった。楽しみな馬で挑めるのはいいですね」
≪19年矢作師、20年斉藤崇師初挑戦V≫今年の
有馬記念に初参戦するトレーナーは5人。武井師、高野師のほか、
ローシャムパークの田中博師、
ダノンデサイルの安田師、
ブローザホーンの吉岡師が初めて暮れの大一番に挑む。過去5年の当レースでは19年矢作師(
リスグラシュー)、20年斉藤崇師(
クロノジェネシス)が初有馬で見事、勝利している。
スポニチ