◆第69回
有馬記念・G1(12月22日、中山競馬場・芝2500メートル)
有馬記念3勝を誇る名手ルメールが、
アーバンシックで一気に頂点取りだ。成長力が目覚ましい。秋初戦の
セントライト記念を豪快な末脚で快勝すると、続く
菊花賞は2馬身半差で圧倒。「中山で使ってるし、スタミナもあるので2500メートルはちょうどいい。この秋から良くなってきた。乗りやすくなって大人になった」とコンビを組んで2戦2勝の相棒を信頼する。
「
ドウデュースは素晴らしいです」と自らラ
イバルの名前を出し、「負かすのは難しい」と強さは認めるが、白旗を揚げるつもりはない。16年の
菊花賞馬
サトノダイヤモンドも3連勝で
グランプリを制した。「(
菊花賞も)スタンド前を通って2周するから同じリズムです」と強みを挙げ、いいイメージで臨む。
今年は3月のドバイで落馬し、ろっ骨と鎖骨を骨折。1か月強の休養を余儀なくされた。昨年は1週間だった夏休みも4週間取ってリフレッシュに充てたが、次位に33勝差をつけてリーディングを独走中だ。「ちょっとアップダウンな年でしたが、またリーディングに立っています。
イクイノックスがいなくなってさみしかったし、G1を勝つのが難しくなったけど、みんなのおかげでたくさん勝てました。ありがたいです」としみじみ感謝する。
年末の
グランプリは「特別なレース」だ。
JRA重賞初制覇が、05年の
有馬記念。追い込み脚質の
ハーツクライを駆って好位から
武豊の
ディープインパクトを封じ込んだ。その神騎乗をほうふつさせたのが昨年だ。差すイメージが強かった
スターズオンアースを大外16番枠から大胆な先行策。半馬身差2着と、
ドウデュースを苦しませた。「枠が大事。去年はいいスタートで内を走れた。大外枠だと外、外を回るのですごく厳しい。もちろん内枠がほしい」と指摘。「最後、
有馬記念と
ホープフルSもいい結果がほしいです。
アーバンは能力があるし、レースごとに強くなってチャンスはあります」。今年もルメールマジックから目が離せない。(玉木 宏征)
スポーツ報知