22日に中山競馬場で行われる第69回
有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)。ファン投票で断トツ1位となり有終の美を狙う
ドウデュース(牡5、栗東・
友道康夫厩舎)、2連勝で
菊花賞を制覇した
アーバンシック(牡3、美浦・
武井亮厩舎)、
日本ダービーで世代の頂点に立った
ダノンデサイル(牡3、栗東・
安田翔伍厩舎)、昨年の
有馬記念2着馬
スターズオンアース(牝5、美浦・
高柳瑞樹厩舎)らが集結した。
この豪華
グランプリを新進気鋭の“回顧派”予想家「Orfe」氏はどう見るか。前哨戦の分析を中心に展望する。
(文=Orfe)
◆前哨戦分析
有馬記念の主要な前哨戦3レースについて、私の提唱しているレースバイアス(展開・馬場などレース結果に影響を与えたであろうバイアスの総称で最も影響が大きい4角での位置取りを基に独自の基準で判定。以下RBと表記)に基づいて検証したい。
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菊花賞(GI):『前有利』/逆バイアス好走馬=該当馬なし
テン3Fは37.0秒と距離を意識したゆったりめの入りで
エコロヴァルツが主張して逃げの手。1周目の直線で早くもペースが上がりそこからは先頭が何度も入れ替わる激しい攻防が続いたことで馬群はかなり縦長になり直線へ。
3コーナーで先頭を奪った
シュバルツクーゲルが最内で粘り、馬場の中ほどを
アドマイヤテラが差をジリジリと詰める中、その外から豪快に
アーバンシックが差し切った。
この入れ替わりの激しい道中の流れについていけずに4コーナーで『後』のポジションだった馬は追い比べに参加できずノーチャンスで『前有利』という結論に。
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天皇賞(秋)(GI):『前有利』/逆バイアス好走馬=該当馬なし
前半1000m通過59.9秒と高速馬場を踏まえれば緩めのペース。
ホウオウビスケッツがマイペースで逃げる中、このペースにケチをつける馬がいなかったことでレース上がり3Fが33.7秒の上がり勝負に。
逃げた
ホウオウビスケッツが逃げ粘るところをゴール手前50mほどで4コーナーでは13番手のポジションにいた
ドウデュースが鮮やかに差し切った。
あくまで前走のみ(※前走が海外の場合は2走前)が基準になるため、該当馬はなしとなるが勝ち馬
ドウデュースと4着
ジャスティンパレスは2桁番手からの逆バイアスでの好走。
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ジャパンC(GI):『内有利』(暫定)/逆バイアス好走馬=
ドウデュース・
ジャスティンパレス 逃げ馬不在の中で
シンエンペラーが序盤は先頭に立ったが1000m通過が62.2秒の超スローペースで、向こう正面では中団に構えていた
ドゥレッツァがハナへ。それでもペースは上がらずに上がり3F 11.5-10.8-11.1と天皇賞秋よりもさらに高速上がり勝負に。
先頭に立ちレースのペースを作った2頭が33秒前半の上がりでまとめて2・3着とこの2頭はRBに恵まれたはずで暫定ながら『内有利』と評価。
◆狙い馬、過大評価禁物の馬
これらを踏まえて
有馬記念で狙いたい馬は
ドウデュース。
テイエムオペラオー・
ゼンノロブロイ以来3頭目となる秋古馬3冠を狙う本馬だが、1冠目の
天皇賞(秋)、2冠目の
ジャパンCをともに逆バイアスでのレースを強いられながら制したように現役馬では能力は最上位の存在だ。
その2冠がともに道中のペースが遅かったため今回一気にペースが引き上がれば付け入る隙はあるかもしれないが、ハイペースの逃げを仕掛けそうな
メイショウタバルが除外対象。
さらにもう1頭の逃げ候補
ホウオウビスケッツも除外対象と、この2頭が出走しないとなればスローペース濃厚だろう。
3冠目でどれだけお釣りがあるかというところだったが、さらに上積みのありそうな追い切りを消化して史上3頭目の秋古馬3冠へ視界良好。
さらにもう1頭ここで狙いたいのが
ローシャムパーク。
前走は海外で対象外となるが2走前の
毎日王冠は掲示板内に好走した馬を除けば12着
オフトレイルが次走
スワンS(GII)で2着したのを皮切りに、9着
トップナイフが
アンドロメダS(L)で3着、14着
エアファンディタがチャレンジC(GIII)で3着と逆バイアスで凡走した馬の巻き返し率が100%。
中山コースは外回りで3歳時の
セントライト記念(GII)が逆バイアスで3着し、RBに恵まれたとはいえ、昨年の
オールカマー(GII)を勝利。内回りでは条件戦で2勝するなど5戦3勝と適性ある舞台だ。
一方で過大評価禁物な馬としては
スターズオンアースを挙げておく。
前走の
ジャパンCは暫定ながら『内有利』の評価。
これを内目の2・3番手で運びながら直線では
ドウデュースに並ぶ間もなく差し切られており、前の
ドゥレッツァすら交わせず。
昨年は
ジャパンC3着、
有馬記念2着ともに逆バイアスでの好走と好パフォーマンスを披露したが今年は始動戦の
ドバイシーマクラシックで8着に敗れ、
ジャパンCも見せ場なし。
ピークは越えた印象で、枯れてまではいなくとも上がり勝負になれば分が悪いことは前走ではっきりしており、ペースが落ち着くと想定するなら高い評価は必要ないとみている。
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