「
有馬記念・G1」(22日、中山)
泣いても笑っても最後となるレースへ、万全の態勢は整った。昨年の覇者
ドウデュースが18日、栗東DPで最終追い切りを行い、馬なりで6F82秒5-37秒4-11秒6をマーク。併せた僚馬と併入した。最後の追い切りを見守った
友道康夫調教師(61)=栗東=は予定通りの動きにうなずき、会見を行った
武豊騎手(55)=栗東・フリー=も「結果で応えたい」と気合十分。多くの競馬ファンを魅了したスターホースが、最高のフィナーレを飾る。
かつて栗東に存在した名門・角居勝彦厩舎で数々のG1馬を手掛けてきた前川和也助手(48)。
ドウデュースとの出会いは2歳秋。2戦目のアイビーS前だった。その調教段階から桁違いの脚力を感じ取っていた。「すぐ感じましたね。鷲頭が『めちゃくちゃいいですよ』って言っていたんですが、乗ったらマジでいいなって」と第一印象を回想する。「今まで乗ってきた馬とは全然違う。スピードが断トツで、操縦性があってタフさもある。脚元も丈夫で息遣いもいい。
ハットトリック(05年
マイルCS&
香港マイル覇者)のスピードが今までは一番だと思っていましたが、それの何倍もです」と早くからG1を意識したという。
その手応え通り、朝日杯FSで初の
ビッグタイトルを手中に収めると、3歳時にはダービーを制して世代の頂点に立った。だが、そこからはもどかしい日々が続く。仕上げ人が最も悔やんだのは4歳時の
ドバイターフ。左前肢ハ行のため、レース2日前に出走取消になり「オーナーやユタカさんが来てから取り消しになったし、申し訳ないなと。もう引きこもっていました」と振り返る。
その後の
天皇賞・秋、
ジャパンCも思い通りにいかなかった。「今までこんな能力の馬に乗ったことなかったですし、見たこともなかったので、何でそれを証明できひんのかなって。有馬を勝った時はうれしかったです。ホッとしました」。暮れに全てを振り払う快勝劇を演じ、再び頂へと歩みを進めた。
勝てば史上5頭目の連覇、そして史上3頭目の秋古馬3冠達成となる。「調子乗りの友達のような存在」と話す
ベストパートナーとの別れまで、あと数日。この日々を惜しみながらも、最上の結果を求めて丁寧に調整を続けてゆく。
提供:デイリースポーツ