「
有馬記念・G1」(22日、中山)
穏やかに逆襲の刃を研ぎ澄ました。今年のダービー馬
ダノンデサイルは18日、安田師が騎乗して栗東CWで追われ、6F83秒2-37秒6-11秒6。馬なりで終始
リラックスした様子だったが、雄大なフットワークでチップを蹴り上げ、自然体で大一番への準備を進めた。
ダービーや
菊花賞の中間に見せた、栗東CWで6F80秒を切るハードな調整は心肺機能を高める「動」の調教。その点、今回は精神面の充実に重きを置いた「静」の調教を積んできた。トレーナーは「気負っているわけではなく、1回使って闘争心も完全にオフにならずに来られましたので、強い負荷よりも精神面の方を重要視しました」と中間の調整を説明する。
その上で「先週の時点でレースが近いことを察していると感じましたので、オーバーワークにならないことを前提に。ストレスを与えないように好きに走らせ、最後はスカッとしていいよと解放してあげたぐらいです」と最終追い切りの意図と感触を伝えた。
今回が古馬初対戦。先輩ダービー馬2頭を含む、G1馬10頭が集結する。指揮官は「経験したことのないタフなレースになると思います。ただ、対応できるかなという準備はしてきました」と説明しつつ、「気負わず、集中力をもって無事にゲートインすることだけを考えたい」と、100%の能力を発揮させることだけを考えている。
同一年にダービーと
有馬記念を制すれば、1984年
シンボリルドルフ、86年
ダイナガリバー、94年
ナリタブライアン、2011年
オルフェーヴルに続き史上5頭目となる。ただ、あくまでも追求するのは記録よりも
ダノンデサイル本来の走りだ。
菊花賞は
イレギュラーな展開で6着に敗れたダービー馬が、暮れの
グランプリで逆襲の一歩を踏み出す。
提供:デイリースポーツ