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東のユタカ 20年ぶり有馬記念で狙う“白星”

スポニチ
  • 2024年12月20日(金) 05時15分
 【競馬人生劇場・平松さとし】

 今週末、いよいよ有馬記念が行われる。白毛馬ハヤヤッコに騎乗するのが吉田豊騎手だ。騎手生活31年目の彼が暮れのグランプリに乗るのは今回が4回目。04年以来の参戦になる。

 20年前にこの大一番で手綱を取ったのはハイアーゲーム。師匠である大久保洋吉調教師(引退)の管理馬だった。2人の師弟関係は固い絆で結ばれていた。デビュー後すぐに厩舎を飛び出してフリーになる若手も多い中、吉田豊騎手はデビューした94年から師匠が引退する15年まで、実に22年間、厩舎に所属したままだった。それだけを聞くと師匠が自由にさせてくれていたように思えるかもしれないが、そんなことはなかった。騎乗馬や乗る競馬場は常に師匠の馬が優先。そのために他厩舎のお手馬を手放したり、実際に手放した馬が出世をしたり、ということも多々あった。それでも厩舎を離れなかった理由を、吉田豊騎手は次のように語った。

 「逆に自厩舎の馬はいつも僕を優先的に乗せてくれましたから」

 例えばメジロドーベルがそう。97年オークスなどG1を5勝した彼女が活躍したのは吉田豊騎手が騎手になってまだ3年目の時から。普通ならG1で乗り替わりとなってもおかしくない年齢だった。

 「ドーベルに限らず大久保先生は常に自分を乗せてくれました。オーナーに頭を下げて乗せてくれたケースも多くあったはずです。おかげでたくさんの経験を積めました」

 ちなみにメジロドーベルとは2度有馬記念に挑戦(97、98年)。勝つことはできなかった(8、9着)が、こういった経験が吉田豊騎手の騎手人生に大きな経験として生きたことは、彼が後に国内外で11度もG1を勝利したことからも分かるだろう。ハヤヤッコと挑む今年の有馬記念では果たしてどんな騎乗を見せてくれるのか。武豊騎手ドウデュースはもちろん有力だが、東のユタカも存在感を示してほしいものだ。 (フリーライター)

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