スマートフォン版へ

【有馬記念特集・思い出の有馬有終V】17年キタサンブラック 世間の常識も超越した7冠馬イブのラストラン

デイリースポーツ
  • 2024年12月21日(土) 06時00分
 「有馬記念・G1」(22日、中山)

 過去にラストランで暮れのグランプリを制し、競走馬生活を終えた名馬を紹介する当欄。今回は17年キタサンブラックを振り返る。

  ◇  ◇

 極限まで鍛え抜かれた肉体は血の限界も、世間の常識も超越した。史上最多タイの芝G17勝(当時)の懸かった17年有馬記念キタサンブラックは、伝説になった。

 若駒の時には手脚が異様に長くてきゃしゃ。見栄えはせず、デビューも明け3歳の1月末と遅れた。決して超良血とは言えない。母父サクラバクシンオーの血統背景から、常に距離不安もささやかれた。それでも3歳秋には菊花賞をV。古馬になると一層ハードになったトレーニングにも食らいつき、4歳時には天皇賞・春ジャパンCを制覇。一流馬の仲間入りを果たした。

 そして迎えた5歳。肉体面はさらに充実し、タフネスぶりに磨きが掛かった。この年に走った6戦は全てG1。王道だけを歩んだ。ラストランに選ばれたのは有馬記念クリスマスイブの中山には10万人を超えるファンが詰めかけた。単勝1・9倍のオッズにファンからの期待、信頼がうかがえた。

 主戦の武豊はゲートを出て迷わずハナ。淡々と、そして丁寧にラップを刻んだ逃走劇は、後続に影すら踏ませず1馬身半差をつけての完勝だった。「集大成という気持ちがあった。結果の大きさは昨年の2着で分かっている」と鞍上。サトノダイヤモンドの2着に敗れた前年のリベンジにも成功した。

 夕闇の競馬場で行われた引退セレモニー。オーナーの北島三郎氏は涙を流しながら、「ありがとうキタサンブラック」、「まつり」を熱唱した。皆に見守られ愛されて強くなった7冠馬の蹄跡は、ファンの記憶に深く刻み込まれている。

提供:デイリースポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す