錦岡牧場の生産馬が好調だ。今年は
ヤマニンサルバムと
ヤマニンウルスの2頭が重賞勝ち。また、2歳世代は
JRAで9頭がデビューし、5頭が勝ち上がっている。そして今週の
ホープフルステークス(2歳牡牝・GI・芝2000m)には
ヤマニンブークリエ(牡2、栗東・
松永幹夫厩舎)がエントリー。93年
天皇賞(秋)の
ヤマニンゼファー以来、実に31年ぶりとなる
JRA・GIタイトルを狙う。
錦岡牧場は55年創設。生産馬は主に創業者一族の土井氏の所有馬として、「
ヤマニン」の冠名で走っている。72年の
天皇賞(秋)を
ヤマニンウエーブが制し、八大競走初制覇。その後も
ヤマニンゼファーや
ヤマニンアラバスタ、「
ヤマニン」の冠名が付かない馬では
ジョリーダンスや
イコピコなど、多くの活躍馬を送り出してきた。一時は低迷し、20年には生産者リーディングで103位となったが、そこからV字回復。今年は22日時点で30位となっている。
ホープフルSには
ヤマニンブークリエが挑む。父
キタサンブラック、
母ヤマニンプードレ、母の
父チチカステナンゴの血統。曾祖母は牧場の基礎繁殖牝馬の1頭である
ワンオブアクラインなので、近親には
ヤマニンサルバムや
ヤマニンウルス、
ヤマニンエマイユなどの活躍馬が並ぶ。ここまで2戦1勝。10月京都の新馬(芝1800m)は加速ラップを中団から差し切って、着差以上の完勝。続く
黄菊賞は完敗の2着だが、勝ったのは続く
朝日杯FSで2着となる
ミュージアムマイルだから、相手が悪かっただけだ。確かに今回は一気の相手強化となるが、通用する可能性は秘めている。
そして鞍上が頼もしい。過去2戦に続き、
JRA・GI完全制覇がかかる
武豊騎手とのタッグ。「
ヤマニン」の馬が
武豊騎手でGIを勝てば、94年阪神3歳牝馬Sの
ヤマニンパラダイス以来、実に30年ぶりだ。オールドファンも喜ぶ劇的Vを期待しよう。