「
ゴールドカップ・S1」(24日、浦和)
5番人気の
アウストロが大金星だ。直線外から一気に伸びて重賞初挑戦で初Vをやってのけた。逃げた2番人気の
エンテレケイアが首差2着に粘り、3着には4番人気の
サヨノグローリー。当レース3連覇を狙い、単勝1・3倍の支持を受けた
スマイルウィは好位のまま伸びを欠いて4着に敗れた。
直線外から実力馬たちをごぼう抜き。最後は手綱を抑える余裕で、逃げた
エンテレケイアを首差とらえた
アウストロ。3連勝で見事に初タイトル奪取まで上り詰めた。
手綱を取ったのはベテラン・44歳の秋元耕。島根の益田競馬でデビュー。山形の上山競馬(いずれも廃止)を経て03年に
浦和競馬場へやって来た苦労人。02年1月の日本海特別(
ニホンカイマリノ)以来、約23年ぶりの重賞5勝目に「うれしいです。ありがとうございます」とファンからの声援にはにかんだ。
まだ粗削りで難しさを残す4歳馬。普段からケイコをつけ、これでコンビ相性〈7210〉とした主戦は「3番手に付けたかったけど、4番手になってしまい道中は何も考えられなかった。馬に助けられました」と恥ずかしそうにほほ笑んだ。
戦前、「秋元と重賞を獲れたら最高」と話していた小澤宏師は夢が現実となり、引き上げてきた鞍上と思わずハグ。目には光るモノがあった。「普段から世話になっているし思わず感極まりました。最後は声が出た。それに地元生え抜きの馬で勝てたのも良かった」と再び目元を押さえた。
オーナーが長崎・佐世保在住とあって、このあとは地方交流の「ゴールドス
プリント」(25年1月12日・佐賀)を視野に調整される。「大事に使ってほしいという(オーナーの)理解があったからこそ。格下も格下でどうかと思ったけど、まさか勝てるとは…。馬もジョッキーもよく伸びてくれました。
クリスマスイヴに感動的な勝ち方ができました」と改めて感無量。覚醒した素質馬にとって、さらなる飛躍の年がやってくる。
提供:デイリースポーツ