「
ホープフルS・G1」(28日、中山)
1戦1勝で挑む
アマキヒは10年に牝馬3冠を成し遂げた
アパパネの子。21年
秋華賞馬
アカイトリノムスメの半弟に当たり、血統的な底力は十分だ。管理する国枝師にとってはJRA2歳G1完全制覇が懸かる一戦。26年春に定年を迎えるだけに、悲願の牡馬クラシック制覇へ向けて力が入る。また、前走の東京スポーツ杯で5着に敗れた
デルアヴァーは課題を改善し、巻き返しへ自信を見せた。
気温計がマイナス3度を記録した火曜朝の美浦トレセン。凍てつく寒さのなか、開門直後の午前7時に登場した
アマキヒは、坂路を軽快に6F63秒6-46秒9-15秒3で登坂。きれいなラップを見届けた国枝師は「元気はいいよ。順調」と明るい表情を見せた。
デビュー戦は単勝2・4倍の1番人気。結果として、2着馬にわずか頭差という派手さのない船出となったが、その中身は実に濃かった。スッとハナを奪い、道中の折り合いはピタリ。「まだ競馬を分かっていないところはあるが、相手が来たらまた反応してくれた」と振り返るように、ラスト1Fでいったん2着馬に前へ出られたが、慌てることなく、ゴール前で差し返す勝負根性を発揮。数字以上に余裕のある勝ちっぷりだった。
競り落とした2着
ロジャリーマインはG1・2勝馬
マリアライトの子で、22日の中山4Rを2戦目でクリア。そこから3馬身半突き放した3着
マテンロウムーブも2戦目で勝ち上がり、レースレベルの高さを示した。
1週前は美浦Wで重賞ウイナーの
パラレルヴィジョン(5歳オープン)と併せて6F84秒7-39秒3-12秒3を計時。ややメリハリに欠ける内容に「相手に気を遣ったのかな」と表情を曇らせたが、22日にも併せ馬でしまいを伸ばして「感じは良かった」と軌道修正に成功。今週のひと追いで出走態勢は整いそうだ。
過去に1戦1勝でG1を制したのは、
ジョワドヴィーヴル(11年阪神JF)&
リオンディーズ(15年朝日杯FS)の2頭だけ。初コースで相手も一気に強くなるが、指揮官は「完成度というか、トータル的にいい馬。前に行けるし、中山も合うと思う」と機動力に期待する。課題を克服し、偉大な母と姉に続けるか。
提供:デイリースポーツ