12月25日(水)、
園田競馬場(晴・良)で行われたダート
グレード競走、第24回
兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII、ダート1400m、出走12頭)は、道中は後方4番手にいた川崎の
フォーヴィスムと最後方にいた
JRAの
サンライズホークが3コーナー付近から外を回って進出、直線は2頭の激しい追い比べになり、
フォーヴィスムがハナ差競り勝って初のダート
グレード制覇を果たした。
兵庫ゴールドトロフィーを地方所属馬が勝利するのは初めて。勝ちタイムは1分28秒4。このレース連覇を目指した
サンライズホークが2着、5馬身差の3着が
JRAの
エートラックス、4着が北海道の
スペシャルエックス、5着が船橋の
ギガース、地元・兵庫の
アラジンバローズは8着だった。
勝った
フォーヴィスムは父
ドゥラメンテ、
母アートプリンセス(母の
父オフィサー)の6歳牡馬。
JRAで4勝したあと川崎へ転入、ことし8月の
スパーキングサマーカップで重賞初勝利を挙げていた。通算成績は22戦7勝。川崎・
内田勝義調教師の管理馬。鞍上は
吉原寛人騎手。
レース後のコメント
1着
フォーヴィスム(
吉原寛人騎手)
「着順が出るまで結果は全くわかりませんでした。何なら負けているのではないかと思って心配していたのですが、勝てて良かったです。揉まれるのは良くない感じでしたので、先団を行かせて、その後ろをしっかり追走できました。いい形で、理想的な競馬運びができたと思います。4コーナーで抜群の手応えで上がっていけましたので、あせらず、一呼吸入れてと思って、追い出しも、二、三完歩我慢してから追いました。それが最後生きたのではないかと思います。前走は消化不良でしたが、今回はうまく脚を使えて走り切ってくれましたので、本当にうれしいです」
(
内田勝義調教師)
「ギリギリこのメンバーに加わることができたことを、主催者含め、みなさんに感謝したいです。それでもここを目標に調整をしていました。ゴールの瞬間はわかりませんでした。首の上げ下げで、何とかという気持ちでした。
レースに関しては、吉原騎手ですから、安心して任せられました。
JRAの馬に比べて斤量に恵まれたところはあったかもしれません。後ろから運ぶ形で少しヒヤッとしましたが、最近このようなレースができるようになっていましたし、揉まれるのは嫌でしたが、レースには幅が出ています。
初めて地方の馬が勝ったと聞いて、すごいことだと思いました。うれしかったです。今後に関してはオーナーサイドと相談してということになります。ことしの最高の締めくくりになりました」
2着
サンライズホーク(
M.デムーロ騎手)
「ハナ差負けですから悔しいです。難しいところがある馬で、ブリンカーを取ってから、前のようなジリジリとした脚ではなく、一瞬いい脚を使うような感じです。今回も瞬発力を見せてくれました。勝ち馬の手応えは抜群でした。勝負どころでプレッシャーをかけにいきましたが、前の馬は止まりませんでした。頑張っていましたが、59kgということもあったと思います。ポジションに関しては、前に入れたらやめてしまいますから、引いたポジションになります。内容は悪くありません。直線に向いてもしっかり脚を使っています。この馬が一番強いレースをしていると思います」
3着
エートラックス(
鮫島克駿騎手)
「春の
兵庫チャンピオンシップで強い勝ち方をしていましたし、外枠でしたが、スタートを出たらある程度主張しようと思っていました。内の馬よりダッシュがついていましたので、積極的に運びました。最後は止まりましたが、地力は見せてくれました」
4着
スペシャルエックス(
吉村智洋騎手)
「スタートから出していきましたが、外の馬が速かったので、控えました。道中はキック
バックを嫌がる面も見せていて、スムーズに運べませんでした。それでも最後は渋太く伸びていました。競馬を覚えていけばまだまだ良くなると思います」
5着
ギガース(
本田正重騎手)
「スタートでトモを滑らす感じで出て、後方のポジションからになりました。最後も脚を使っていますし、力は感じました」
8着
アラジンバローズ(
下原理騎手)
「外に出すことができませんでした。行くタイミングがありませんでした。少し乗り難しい面があります。ただ、佐賀の方が、手応えが無いようで伸びてくれたように、走りは良いように感じます。きょうは手応えがありながらも、もう一つでした」
10着
サイレンスタイム(
鴨宮祥行騎手)
「ハンデが51kgでしたから、馬なりで良いポジションにつけられましたが、結果この馬のペースで運ぶことになりませんでした。意識してもう少し抑えた方が良かったかもしれません」
(取材:檜川彰人)
ラジオNIKKEI