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ホープフルS追い切り(25日、栗東トレセン)
推進力あふれるフォームは最後まで乱れなかった。
クロワデュノールは栗東・CWコースで内から
ルシフェル(3歳3勝クラス)を2馬身半追走。序盤はジッと我慢を利かせ、馬体を並べた直線入り口からも手綱は全く動かない。首をうまく使い、徐々にスピードが増していく青鹿毛の馬体。6ハロンでは84秒3だが、ラスト2ハロンは11秒2、11秒3の優秀な時計でまとめた。
手綱を執った北村友は「4コーナーから並びかけて、最後はいいところで
バランスを保ってフィニッシュするようにという指示。その通りの調教ができたんじゃないかと思います」と感触を語る。その表情は5か月ぶりだった前走の東京スポーツ杯2歳Sの中間とはまるで違う。斉藤崇調教師も「前走は調教の段階から動きがシャキッとしていなかった」と振り返る。
しっかりと負荷をかける調教を重ねても、本来の姿を取り戻せなかった。成長分があったとはいえ、馬体は初戦から24キロ増。それでも、勝った。「ここにどれだけつなげてくれるかでしたが、勝ち切ってくれたのは大きい」と斉藤崇調教師。中5週とレース間隔が短くなった今回は調整にゆとりがある。「1週ごとに動きを求めることがなかった」と北村友。強い負荷は必要ない。一度使ったことで状態は自然と上がり、走れる態勢は整っていた。
良化途上だった前走の完勝が際立たせるスケールの大きさ。斉藤崇師の視線の先には来春が自然と映っている。「まだ肉づきの点で物足りなさがあるので、来年にかけて良くなれば。ここも勝って、クラシックに行けるように頑張ります」。無敗の連勝ロードを突き進み、絶対的主役へ名乗りを上げる。(山本 武志)
スポーツ報知