29日、大井競馬場(晴 良)で行われたダートグレード競走、第70回東京大賞典(GI ダート2000m)は、圧倒的な1番人気に推された3歳馬フォーエバーヤング(JRA)が快勝した。道中は逃げるクラウンプライドを見ながら2番手を進み、直線で先頭に立って、追いすがるウィルソンテソーロ、ラムジェットを退けた。勝ちタイム2分4秒9、勝利騎手は坂井瑠星。

　1馬身4分の3差の2着に2番人気ウィルソンテソーロ(JRA)、さらにクビ差で4番人気ラムジェット(JRA)が3着。3連覇がかかっていた3番人気ウシュバテソーロ(JRA)は4着だった。

　フォーエバーヤングは父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング(母の父Congrats)、3歳牡馬。JRA栗東・矢作芳人厩舎の管理馬。通算成績9戦7勝、国内では未だ負け無し。GI級レースは去年の全日本2歳優駿、今年のジャパンダートクラシックに続く3勝目となった。

レース後の関係者のコメント

1着　フォーエバーヤング(坂井瑠星騎手)
「(圧倒的1番人気での勝利に)これで無事に年越しできます。

(状態について)正直、前回がすごく良かったので、まだ本調子とはいかない中で8割くらいかなというイメージでした。前回の競馬でかなり前半行かせる競馬をして、それを馬が覚えていたようで飛び出すようなロケットスタートでした。(3コーナーの手応えについて)そのあたりはまだ状態が完璧ではないなというところで、世界一になるにはあのあたりが課題かなと思います。直線では負けないとは思いましたが、今後のことも考えてしっかり追って、よく凌いでくれました。国内では初めて古馬の一線級と戦うことになりましたが、世界一を目指している馬なので、日本では負けられない気持ちでした。来年は世界のチャンピオンとなれるようにこの馬と頑張っていきたいです」

(矢作芳人調教師)
「状態を上げ切れなくて、決して絶好調の状態ではなかったのですが、その中でこの競馬をしてくれたことに、この馬の強さを改めて感じました。海外遠征帰りということで検疫もあったので、馬が少し緩んでしまいました。徐々に状態は上がっていたのですが、今日で八分ぐらいの状態だったかなと思います。

　アメリカで鍛えたスタートですね。スタートでもう楽になりましたね。当初から坂井瑠星騎手と理想は2番手と言っていました。ゴール前はだいたい負けないだろうと思っていましたが、4コーナーでどうしても手応えが悪くなるので、それが今後の課題かなと感じています。

　やはり生まれ故郷なので、本当に感慨深いですし、東京大賞典を勝つということは僕の人生にとっても大きな意義があるので、本当に嬉しいです。次はやはりサウジアラビアのサウジCを目標に仕上げていきたいと思います。負けなくて良かったです。本当に嬉しいです。もっと強くなると思うので、今後もフォーエバーヤング、そして矢作厩舎の応援、よろしくお願いいたします」

2着　ウィルソンテソーロ(川田将雅騎手)
「よく頑張りました」

(高木登調教師)
「頑張ってはいますが、勝った馬は終始促すような感じでしたからね。相手が強かったです」

3着　ラムジェット(三浦皇成騎手)
「向正面で思ったよりペースが落ち着いて、内が空いていたので、馬を信じて、馬のリズムで上がって行けました。ジャパンダートクラシックに比べて雰囲気は良くなっていましたが、フォーエバーヤングは強かったです。それでもダートのトップクラスによく食らいついてくれました」

4着　ウシュバテソーロ(菅原明良騎手)
「雰囲気良く運べました。ブリンカー効果もあってか、真面目に走っていました。勝負どころでも前を圏内に入れつつ走れていて、抜け出す手応えはあったのですが...。伸びてはいましたが、ラストは離されてしまいました。ただ、良いレースはしてくれています」

(高木登調教師)
「ブリンカー効果があって追走は楽でした。3コーナーからハミを取って行きましたが、届きませんでした」

5着　グランブリッジ(松山弘平騎手)
「スタートが速かったですし、リズム良く運べました。自分から前向きさを見せて3番手につけて、最後も頑張っていました。牡馬相手ですごいメンバーの中、よく頑張ってくれました」

6着　デルマソトガケ(C.ルメール騎手)
「スタートは少し出遅れましたが、冷静に走れていました。3コーナーまでは良い感じでしたが、ペースが上がった時に全く反応してくれませんでした。それでポジションが下がってしまいましたが、直線ではまた伸びてくれました。距離の問題ではなく、メンタルがあまり良くありませんでした」

8着　サヨノネイチヤ(西啓太騎手)
「スタートで少し挟まれてしまいました。道中はリカバリーできて、4コーナーまでは良い手応えで運べていました。ラストは壁を感じましたが、馬自身は力をつけています」

(取材：米田元気)

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