いろいろあった2024年も最終日。「2024馬トクアワード」と題し、馬トク取材班12人がポイント制で「ベストレース」を選出し、ランキング。
◆第1位
ジャパンカップ(83ポイント) 海外からビッグネームが参戦。G1・6勝の
ディープインパクト産駒オーギュストロダンは世界的トレーナーのエイダン・オブライエン調教師、今年の“
キングジョージ”の勝ち馬
ゴリアットは強気発言を連発した馬主のジョン・スチュワート氏が注目されるなか、例年以上のハイレベルな戦いが期待された。
レースは近年同様、日本勢が圧倒する結果となった。総大将の
ドウデュースが
天皇賞・秋に続くG1連勝。スローペースの後方2番手を追走と恵まれた展開ではなかったものの、直線は上がり3ハロン最速32秒7の末脚で前をのみ込んだ。着差は首でも、力でねじ伏せる走りは現役最強を誇示するには十分。
武豊はレース単独最多の5勝目。外国勢は掲示板にも入れなかった。
レース後に陣営は「順調なら
有馬記念へ」と史上3頭目となる秋古馬3冠に挑むことを表明。ファン投票では歴代最多となる47万8415票を集め、誰もが偉業達成を期待した。しかし、本番2日前の12月20日、右前肢ハ行を発症して
グランプリ出走はかなわず。府中の世界決戦が最後の雄姿となった。
◆第2位
天皇賞・秋(77ポイント)
武豊騎乗の
ドウデュースが後方13番手から大外一気でGI・4勝目を挙げた。ドバイ・ターフ5着、
宝塚記念6着と不本意な結果に終わった春2戦の借りを返した。
武豊は1939〜66年の保田?芳に並ぶ同レース歴代最多タイの7勝目。23年はレース当日に負傷し、戸崎に乗り替わりとなっていた。友道調教師は同レース初勝利となった。
2着には松山騎乗の
タスティエーラ、3着には岩田望騎乗の
ホウオウビスケッツが入った。1番人気に支持された23年の3冠牝馬
リバティアイランドは、直線で失速し13着に敗れた。
ドウデュースの記録した上がり3ハロン32秒5はレース史上最速で、G1勝ち馬としても最速だった。この勝利で84年の
グレード制導入後、史上7頭目の4年連続G1制覇の偉業を達成した。
◆第3位
チャンピオンズカップ(66ポイント)
レモンポップが国内G1級6戦6勝の成績を残し、最強のまま引退レースを終えた。前年と同じく自身の
スタイルを崩さずに先頭を奪うと、
ウィルソンテソーロの追い上げを鼻差しのいでゴール。勝利を見届けた田中博調教師が、人目をはばからず涙を流したシーンは感動を呼んだ。連覇は阪神1800メートルで行われていた10、11年(当時は
ジャパンCダート)の
トランセンド以来、史上2頭目。また、2着
ウィルソンテソーロ、3着
ドゥラエレーデも23年と同じ決着となり、1〜3着が2年連続同着順は平地G1初となった。
◆4位
有馬記念(43ポイント) 主役が消えた
グランプリは、
レガレイラが
シャフリヤールとの激闘を鼻差で制し、3歳牝馬として64年ぶりの勝利。
◆5位
皐月賞(42ポイント)
ジャスティンミラノが1分57秒1のコースレコードV。落馬事故で死去した藤岡康太騎手が調教をつけていた
キズナ産駒が、史上21頭目の無敗の
皐月賞馬に。
◆5位
ケンタッキーダービー(42ポイント)
フォーエバーヤングが、勝った
ミスティックダン、2着
シエラレオーネの米国勢2頭と激闘。鼻、鼻差で日本調教馬最高の3着。
◆7位
安田記念(38ポイント) 香港の
ロマンチックウォリアーが日本勢を寄せ付けず、外国馬18年ぶり4頭目の勝利は、G1・5連勝での同8勝目。
◆8位
天皇賞・春(31ポイント)
テーオーロイヤルが
ダイヤモンドS、
阪神大賞典に続く3連勝V。デビュー13年目の菱田、師匠で開業22年目の岡田師ともに
JRA・G1初制覇。
◆9位
日本ダービー(28ポイント)
ダノンデサイルが
皐月賞競走除外から鮮やかなV。56歳3か月4日の横山典が
JRA・G1最年長、41歳10か月19日の安田師は最年少での快挙。
◆10位
宝塚記念(26ポイント) 重馬場の
グランプリは
ブローザホーンが大外一気の豪脚で2馬身差V。菅原明、吉岡師ともにG1初制覇。
◆10位
マイルCS(26ポイント)
ソウルラッシュがG1・7度目挑戦で悲願V。団野がゴール前で派手な
ガッツポーズを見せ、過怠金5万円を科された。
◆ベストレース選定方法
JRA所属馬が出走した国内外のレースが対象。東西トレセンで取材する記者12人が1位10ポイント、2位9ポイント…10位1ポイントで各10レースを選出し、合計ポイントでランキングした。
スポーツ報知