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マイルCS・G1(11月17日、京都・芝1600メートル=良)
今年の4月に入社し、6月から
中央競馬担当に。
マイルCSで1週間を通してレースを深掘りする「考察」を任された。初めて印を打つ、予想デビュー戦。過去10年のレース映像をさかのぼってチェックしていくと、外差し決着の傾向が強いことが分かった。配属されて本格的に競馬を見始めて、直線で外から鋭く末脚を伸ばして差し切る
スタイルに魅力を感じていた。レース傾向も加味して、記念すべき初の本命は決め手に爆発力がある馬にしようと決めた。
今年は一昨年、前年の勝ち馬2頭に、出走17頭中13頭が重賞ウィナーという好メンバーがそろった。そのなかで最も気になったのは
ソウルラッシュ(牡6歳、栗東・
池江泰寿厩舎、父
ルーラーシップ)だった。同舞台の読売
マイラーズCで見せた鮮やかな外差しが非常に印象的だったが、G1は6戦未勝利、
マイルCSは3度目の挑戦で、前年は首差の2着に惜敗していたことも心を揺さぶられた。G1を勝てる実力は十分にありながらも、あと一歩
ビッグタイトルに届いていないところが応援したくなった。
レースは中団から。じっくり運んで脚をため、
団野大成騎手が直線半ばで外に持ち出して懸命にアクション。それにしっかりと呼応してギアを上げた。魂がこもった鼓舞を背中に受けて、もうその勢いは止まらない。残り150メートルで完全に抜け出し、2着に2馬身半差をつけて待望のG1初勝利を飾った。
鞍上は「気づいたら出ちゃってました。早すぎました。めちゃくちゃ怒られました(笑)」とゴール前の早すぎた
ガッツポーズを猛省していたが、私もテレビの前で思わず拳を握りしめていた。1週間頭を悩ませ、導き出した結論に最高の形で応えてくれた
ソウルラッシュと団野騎手。これからも応援し続けたいと心から思った。
しかし、直線を豪快に突き抜ける姿に目を奪われるあまり、2着以降が完全に視界の外に。慌てて確認すると2着
エルトンバローズ、3着
ウインマーベルの2頭とも無印。“相手抜け”で
競馬予想の洗礼を浴び、単勝530円のみ的中という微妙な結果に終わったが、個人的には大満足だった。
G1馬となった
ルーラーシップ産駒は続く
香港マイルでも2着に好走。池江調教師は「やっぱり
安田記念を勝たせてあげたい」と春のマイル王の座を狙う。7歳になるシーズンだが、まだまだ衰え知らず。来年もその豪脚に大いに期待したい。(
中央競馬担当・山本 理貴)
スポーツ報知