例年にも増して今年の3歳馬は強さを感じるレースが多い。中でも、一番衝撃的だったのが
エンブロイダリー(牝、美浦・
森一誠厩舎、父
アドマイヤマーズ)の未勝利戦だ。
あおり気味のスタートだったがスピードの違いで先手をとると、そのままリズム良く風を切り7馬身差の圧勝。直線では軽く仕掛けられただけで加速し、ノーステッキのまま新潟・芝1800メートルの2歳レコードをコンマ9秒も更新する1分45秒5をマークした。最後は
ルメール騎手が後ろを振り返る余裕すらあるほど。超高速馬場だったことを差し引いても、G1級のポテンシャルを感じさせるレースだった。
続く
サフラン賞は前残りの馬場で出遅れが響き5着に敗れたが、気性面を思えば無理に勝ちにいかなかったことが先につながるのは間違いない。次戦の1勝クラスはしっかりと差し切り勝ち。レース後に
ルメール騎手が「良かった」とホッとした表情を浮かべていたのが、負けられないというプレッシャーをうかがえて印象深かった。ここまでの走りからもベストは1600メートル付近だろう。現時点における
桜花賞・G1(4月13日、阪神・芝1600メートル)の最有力候補と見ている。
3代母はあの
ブエナビスタを産んだ
ビワハイジ。血統的にも大きな期待が持てる。始動戦は未定だが、無事に桜の大舞台へ駒を進めてほしい。(
中央競馬担当・角田 晨)
スポーツ報知